共働き世帯が増えている現在、ペットが留守番をせざる得ないことも増えています。そんなペットの留守番で安心感をもたらしてくれるのがペットカメラです。パナソニックが7月16日に発表したペットカメラの新製品「HDペットカメラ KX-HDN215」は、ペットの動きに合わせてカメラを動かす自動追尾機能や、ペットがぶつかってもカメラが倒れない独自の工夫、1週間のダイジェスト動画を自動生成する機能などを備えたのが特徴です。

価格はオープンで、予想実売価格は25,000円前後(税別)。発売日は8月20日です。

  • パナソニックが発表した「HDペットカメラ KX-HDN215」

  • 本体サイズは幅98×奥行き98×高さ133mmの手のひらサイズ。重量は約450gです

人気のペットカメラがますます便利に

パナソニックのペットカメラは、従来から首振り機能や自動追尾機能、ナイトモードなど、部屋のなかを動き回るペットや部屋の状況を選ばない機能を搭載しており、従来からペットオーナーに人気のあるシリーズです。

今回登場したKX-HDN215はそれらの特徴を受け継ぎつつ、200万画素のCMOSセンサーの搭載で最大1920×1080ドットのフルHD画質の映像が撮影できます。ペットカメラは、一般的に「外出先のスマートフォンにリアルタイムの映像を送る」のが基本機能のため、100万画素以下の画質の製品も多いなか、本機は比較的高解像度な製品だといえます。

  • 出力映像は1920×1080ドットのフルHDサイズ、1280×720ドットのHDサイズ、640×480ドットのVGAサイズの3段階から選択可能。映像はスマートフォンでリアルタイムに確認できるほか、本体にセットしたmicroSDカード(別売)に保存することも可能。動画の保存形式はMPEG4(動画部分:H.264、音声部分:AAC)です

  • 専用アプリ「ホームネットワークW」でペットの様子を外出先からチェック可能。レンズの方向もアプリから制御できます

さらにKX-HDN215は、転倒防止構造や行動ログ、1週間ダイジェストの3つの新機能を搭載しました。転倒防止構造とは、本体底面に特殊な構造の吸盤を配置し、ペットが横からぶつかったりカメラを倒そうとしても簡単には動かないようにする機構です。ユニークなのが、本体を垂直に持ち上げると吸盤の通気口が開く機構になっており、簡単に動かすことが可能。カメラの位置を変更したり、設置面を掃除したい時などに手間取ることはありません。

  • 角度によって通気口が開閉する特殊な吸盤を本体底面に配置。横から押されても倒れませんが、上方向には簡単に持ち上がるようになっています

ちょっと強めに側面を押しても、倒れることはありません

行動ログは、部屋のなかの特定のエリアを登録することで、その範囲内にペットが20秒以上とどまると、立ち寄った映像を記録してあとからチェックできる機能です。登録できる場所は1カ所のみですが、水飲み場やトイレなどを登録して「留守中にちゃんと水を飲んでいるか」「1日に何回トイレをしているか」などの健康管理もできます。行動ログは、とどまった映像を記録するだけではなく、とどまった回数をカウントすることも可能です。

  • 記録された動画のなかから特定の場所に立ち寄った映像だけを抽出する「行動ログ」。動画の録画にはmicroSDカード(別売)が必要になります

一週間ダイジェストは、1日ごとにひとつの動画をランダムに選んでその動画の先頭5秒をつなぎ、1週間のハイライトを約35秒の動画でチェックできる機能です。ペットカメラで記録したそのままの映像だと、カメラを設置した部屋にペットがいない映像が延々流れるだけであったり、ペットがひたすら寝ているだけの映像になることも多く、記録した映像をだんだんチェックしなくなることもあります。この1週間ダイジェストなら、映像を延々早送りするといった面倒な作業もなく、ハイライトシーンが手早くチェックできます。

ペットがいる映像を抽出して5秒ごとの映像に編集してくれる「一週間ダイジェスト」。こちらもmicroSDカード(別売)が必要になります

首振り機能に自動追尾機能、従来からの機能ももちろん健在

従来モデルから人気の首振り機能や自動追尾機能は、KX-HDN215でももちろん利用可能です。首振り機能は、カメラのレンズを左右に約54度、上下に約31度動かせる機能で、カメラで見渡せる範囲は水平方向なら360度の全範囲。上下方向は約90度に広がります。

  • アプリの画面右と下にあるスクロールバーを操作すると、レンズの角度を簡単に調整できます

  • カメラを動かせる範囲は水平に約54度、垂直に約31度です

動作検知センサーと赤外線センサーでペットの動きを検知し、常にカメラがペットの方向を向く自動追尾機能も便利です。レンズ中央から水平方向約54度は映像の画像差分から動くものを検知し、この範囲から外れた左右それぞれ約77度は赤外線センサーで動きを検知することで、約208度の物体の動きを捕捉して記録します。

  • カメラで撮影した画像差分から動いたものを検知する動作検知センサーと、左右にひとつずつ配置された赤外線センサーで、レンズが捉えるよりも広い範囲の動きをセンシングできます

KX-HDN215が実際にペットを自動追尾して撮影した映像。ペットの動きに合わせてレンズが動いているのが分かります

このほか、KX-HDN215は真っ暗な環境でも赤外線LEDを点灯させて撮影できるナイトモード、部屋の温度をアプリ画面の右上に表示する温度センサー機能、アプリに話しかけることでカメラのスピーカーから声かけができる会話機能など、ペットにうれしいさまざまな機能を搭載。特に、温度センサー機能はカメラ周辺の温度が設定範囲を超えた場合、スマートフォンに通知させることも可能。「留守中にエアコンが切れて熱中症にならないか」と心配するペットオーナーにとっては、頼もしい機能だと感じます。

部屋が暗くなると、自動的に赤外線LEDを使うナイトモードに切り替わって撮影。部屋が一定以上明るくなると、通常の映像に切り替わります

発表会の最後には、TVやCMにも数多く出演もする「柴犬ゆうと猫のとろ」(ゆうとろ)と、その飼い主も登壇。実際にKX-HDN215を使った感想を語ってくれました。

  • 新製品発表会に登壇した「柴犬ゆうと猫のとろ」と、その飼い主お二人。「飼い主がいないことで、すごく自然にしているふたりが観られ、自分が撮影していない自然な様子をSNSにアップできたのも良かった」とペットカメラの魅力を語りました

なかでも、猫は水を飲みたがらない子が多いため、留守中でもどれくらい水を飲んでいるのかがチェックできる新機能の「行動ログ」は、猫飼いにはうれしい機能だとコメント。そして便利に感じたのは一週間ダイジェスト機能で、「行動ログ」だけでも膨大な数の映像がたまっているので、これを短い時間にまとめてくれるのはうれしいといいます。

一番気に入ったのはデザインだといいます。カメラっぽくないデザインなので、怖がりのゆうとろも威圧感を感じないほか、操作によって色が変わるLEDなどは犬から見えない位置に配置。さらに、自動追尾中もモーター音があまり聞こえず、とにかくペットがカメラを怖がらない工夫をしてあるのがうれしいと語りました。

とくに怖がりだという柴犬のゆうくん。光が点灯したりするとおびえるため、飼い主ご夫婦はペット側からLEDが見えにくいKX-HDN215のデザインを特に気に入っているそうです