• バッファローが発表したWi-Fi 6対応無線LANルータ3モデル。ハイエンドからエントリーまで、最新規格の無線LANルータが選びやすくなった

バッファローは6月4日にWi-Fi 6対応ルータ3モデルの発表会を開催。2019年10月に発表したWi-Fi 6対応ルータの商品構成をエントリーモデルまで拡大しました。発表された製品は以下の通りです。

製品名 発売予定時期 市場想定価格(税抜) 特記事項
WSR-1800AX4 7月上旬 9,000前後 エントリー機。黒+白の2モデル
WSR-5400AX6 7月上旬 16,500前後 ミドルハイクラス。黒+シャンパンゴールドの2モデル
WXR-5700AX7S 8月下旬 28,000前後 パフォーマンス機。外付けアンテナを調整可能
  • エントリー製品のWSR-1800AX4。黒モデル(WSR-1800AX4-BK)と白モデル(WSR-1800AX4-WH)の2モデル構成(記事内の画像はバッファロー提供)

  • プレミアム製品のWSR-5400AX6。マットブラックモデル(WSR-5400AX6-MB)とシャンパンゴールドモデル(WSR-5400AX6-CG)の2モデル構成

  • パフォーマンス製品のWXR-5700AX7S。昨年10月に発売されたフラッグシップ製品よりもややスペックを押さえているが10G WAN対応。この製品のみ8月下旬発売開始

20周年を迎えるAirStationの歴史

バッファロー 取締役 事業本部 コンシューママーケティング部 部長の石丸正弥氏が、同社の無線LANブランド「AirStation」の歴史を紹介しました。

AirStationという無線LAN製品を発表したのは2000年2月で、この2020年で20周年。発表当時、コーポレートステートメントを「パソコン、もっと使いやすく」から「インターネット、もっと使いやすく」に変更するほど戦略的な製品だったといいます。以降、バッファローは無線LAN製品を他社に先駆けて商品化していったとのこと。

  • バッファロー 取締役 事業本部 コンシューママーケティング部 部長の石丸正弥氏

20年の間に無線LANの規格もIEEE802.11bからg、a、n(Wi-Fi 4)、11ac(Wi-Fi 5)、11ax(Wi-Fi 6)と進化。しかし、同社の製品はこれらの規格を追うのが目的ではなく、あくまで使いやすさや利便性を追求するための手段だったと説明しました。

昨今の市況に関しては、一般家庭でも10台以上の子機と製品の多様化がみられるほか、動画やテレワークと言った高負荷利用が当たり前になっており、AirStation製品は「繋がりやすく、安定的で、使いやすい」を徹底追及するといいます。

Wi-Fi 6は普及が早いのも特徴。Wi-Fi 5製品は出してから8カ月で出荷の1%程度しか達しなかったところ、Wi-Fi 6の製品はすでに5.6%に達したと、普及の速さを強調しました。

  • 2020年2月にISDNやxDSL環境に向けたWLAR-L11-Lシリーズを発表。以降無線LAN製品を他社に先駆けて投入してきた

  • 実際の家庭環境で性能を検証すべく、バッファローではモデルハウス「Wi-Fi Connected Home」で製品をテスト。現在70台ほどのWi-Fi対応機器を置いているそうだ

  • 近年、IoT機器や在宅勤務などで家の多くの場所で同時に無線LANを利用する変化が出てきた

  • Wi-Fi 6では離れた場所でも速度が出る上、多数の子機も同時接続できる。さらにAirStaionならではのサポートを追及

1年後にはWi-Fi 6製品が市場の過半数を占める

新商品に関してはバッファロー 事業本部 ネットワーク開発部 部長の田村信弘氏と、同コンシューマーマーケティング部 BBSマーケティング課 課長の下村洋平氏が説明しました。

  • バッファロー 事業本部 ネットワーク開発部 部長の田村信弘氏

  • バッファロー 事業本部コンシューマーマーケティング部 BBSマーケティング課 課長の下村洋平氏

2人がまず強調したのが「家庭内のネットワーク利用量が大幅に増えた」事です。平日昼の通信量が39%増えたというNTTコミュニケーションズの資料を引用して、新型コロナウイルス発生に伴い、在宅勤務や在宅学習が増えたと紹介。テレワークをした事がある人の半数が、2020年4月の緊急事態宣言を受けてテレワークになったであろうと話しました。

  • 在宅勤務のためにリビングにある無線LANから離れた場所で作業を行ったり、多数の接続で支障が出たりする可能性が増した

  • 5月25日週の平日昼間の通信量は、2月25日週と比べ39%増(約1.4倍)と大幅に増加したという

  • 緊急事態宣言を受けて4月からテレワークを開始した人は多い

これに伴い、無線LANルータの売上や構成も変化。5月は前年同月比139%と大きく販売を伸ばしたほか、主流製品が従来の(アンテナが2本の)2×2から(アンテナが4本の)4×4に入れ替わったと言います。宅内で同時に利用する人が増え、さらに部屋によってはあまり電波が届かないので、よりアンテナ数の多いモデルに買い換えたのだろうとの分析でした。

新しいWi-Fi 6規格は従来よりも速いだけでなく、同時に複数の子機へデータを送るOFDMAと、使っていないときに電波を弱めるTWTというメリットがあると紹介し、さらに、第2世代iPhone SEなどWi-Fi 6対応子機も今年4月から大きく増えていると説明しました。

  • 非常事態宣言に伴う在宅ワークが影響したのか4月からWi-Fiルーターの売上が急増。今年に入って一番売れる製品が2ストリームから4ストリームへ変わった

  • Wi-Fi 6(11ax)にする事で、単に速度が速くなるだけでなく、同時に多数の子機へデータが送れ、さらに使わないときの消費電力を抑える事が可能となる

  • Wi-Fi 6対応デバイスも今年の4月から増加した