デザインのよさや直感的な操作性で人気のMacBookシリーズ。その作業領域を広げて快適さを高めるのが「外部モニター」です。せっかく気に入っているMacBookと一緒に使うものだから、見た目や使い心地にもこだわりたいですよね。
そこで注目なのが、“MacBookのために作られた”と言っても過言ではないベンキューの「MAシリーズ」。ここでは、そのラインアップのうち31.5インチの「MA320UG」と27インチの「MA270S」の2製品を実際に使用し、MacBookユーザーの視点からリアルな使い勝手を紹介していきます。
モニター選びに悩んでいる方や、MacBookをもっと快適に使いたい方は、ぜひ参考にしてみてください!
外部モニターに求める条件は、MacBookになじむデザインと画質のよさ。仕事柄、PhotoshopやIllustratorなどのデザインツールを頻繁に使うため、正確な色味を再現できることは必須条件。
MacBookとの相性が抜群なMAシリーズ
ベンキューのMAシリーズは、Macユーザー向けに開発されたモニターです。MacBookやiPhoneなどのApple製品は、再現できる色の範囲(色域)が一般的な「sRGB」より広い「Display P3」という規格を採用していますが、MAシリーズもDisplay P3に対応しています。しかもベンキュー独自のカラーチューニング技術でMacの色基準に合わせてキャリブレーション済み(カラーモード「M-book」)。そのためユーザーが手動で調整しなくても、ケーブルでつなぐだけでMacの色を高精度に再現できるのです。
今回試した2モデルは画面サイズが31.5インチで解像度が4K(3,840×2,160)の「MA320UG」と、27インチで5K(5,120×2,880)の「MA270S」。いずれもMacBookと同様にグレアパネルを採用しています。
31.5インチ4Kモニター「MA320UG」の使い心地は?
「MA320UG」は、31.5インチという広大な作業領域を利用できるのが魅力的なポイント。資料を見ながら文書を作ったり、ウインドウを並べて同時に作業したりするのも楽々です。A3横やA4縦見開きを原寸大で表示しても余裕があるので、紙媒体のデザインや編集作業にも使いやすいです。
筆者は普段27インチ4Kのモニターを使っており、同じ解像度で画面サイズが大きくなると「画素密度が低下して表示される画像も粗く見えるのでは?」と心配していましたが、実際に使用してみると、小さな文字や画像のディテールがとてもシャープに表示されました。
それもそのはず、画素密度は27インチ4Kの163ppi(1インチあたり163画素)に比べて31.5インチ4Kは140ppiとあまり変わりません。作業時は画面から50cm以上は顔を離していますが、その距離だと27インチ4KモニターやMacBookの内蔵モニターと比べても表示の精細さにあまり差は感じませんでした。
そしてMacBookと同じ画面を表示してみて驚いたのが、色の正確さ。とくに設定や色を細かく調整しなくても、デフォルトの状態でMacBookのモニターと変わらないような見え方になります。色域の狭いモニターだと彩度の高い赤やエメラルドグリーンなどの色は地味な発色になりやすい傾向です。しかし、「MA320UG」は同じような鮮やかさで再現されました。
一般的な外部モニターは表面の光沢を抑えたノングレアパネルが多いのですが、「MA320UG」はMacBookと同様にグレアパネルを採用しています。ノングレアは映り込みが少なくなる反面、コントラストが下がってしまうためメリハリに欠けがち。グレアは明るい場所では映り込みが気になることもありますが、コントラストが高くメリハリのある表示が可能です。
どちらを選ぶかは難しい問題ですが、MacBookやiPhoneなどでの見え方に近づけたいならグレアの方が向いています。「MA320UG」も表示した画像のクリアさや黒の締まりなどがMacBookの内蔵モニターに近く、双方の画面を交互に見比べてもほとんど違いを感じませんでした。
実際に作業してみて「あれ?」と思ったのが、マウスポインターの動きやページスクロールの滑らかさです。一般的な外部モニターはリフレッシュレート(1秒間に画面を書き換える回数)が60Hzのものが多く、最大120HzのMacBook Proの画面に慣れていると残像感が気になることがあります。しかし、「MA320UG」ではそうした違和感はまったくありませんでした。スペックを確認してみると、120Hzに対応しているとのこと。マウスポインターなどの動きの滑らかさは画面が大きくなるほど気になりやすい部分なので、高リフレッシュレートはとてもありがたいと思いました。
リフレッシュレートは最大120Hzに対応。MacBook Proの内蔵モニターのように状況に合わせて最適なリフレッシュレートに自動で調整する可変リフレッシュレートにも対応しています。
27インチ5Kモニター「MA270S」の使い心地は?
「MA270S」は、なんと言っても27インチで5K(5,120×2,880)という高解像度に対応しているところが大きな特徴です。画素密度は218ppiとなり、画面に目を近づけても一つひとつの画素が肉眼で識別できないほど。正直なところ「オーバースペックでは」と思わないでもありませんが、実はこれ、MacBookの内蔵モニターの画素密度とほぼ同じです。そのため表示の精細さやシャープさもMacBookの内蔵モニターと変わらない感覚で使えます。
macOSにはスケーリング解像度(擬似解像度)を調整できる機能がありますが、「MA270S」はどの解像度にしても表示がキレイです。とくに整数倍となるWQHD(2,560×1,440)解像度はUIも見やすく使いやすいと感じました。
実際に作業してみて印象に残ったのは、やはり表示の精細さです。ルビのような小さな文字やヘアラインのような非常に細い線も、ぼやけたりエッジにジャギー(ギザギザ)が出たりすることなく表示されます。この緻密さなら画面上で作業が完結できるのでコスト的にも助かります。
このほか、動画編集時に4K素材を等倍で表示しても余裕があるのもメリット。メニューやパネルがジャマにならないうえ、タイムラインも見やすいので作業効率が大きくアップします。
2モデルを比較してみると?
「MA320UG」と「MA270S」、どちらもそれぞれ特徴があって魅力的。ここからはポイントを絞って両モデルを比較してみることにします。
画面サイズ
31.5インチの「MA320UG」と、27インチの「MA270S」は並べてみると思った以上に差を感じます。50〜60cmくらいの距離で画面を見たとき「MA270S」だと全体が視界に収まりますが、「MA320UG」は視界に収まりきらない場合もあります。その分、「MA320UG」は複数のウインドウを開いたり、画像を並べて比較したりする際に作業しやすかったです。また没入感が高く、動画などをフルスクリーン再生した際の迫力や臨場感が一段上でした。Premiereのようなアプリのタイムライン表示も見やすいので、動画編集などにはメリットが大きいと思います。
解像度
正直なところ、通常の使い方だとあまり違いを意識することはありませんでした。ただ画面から30cmくらいまで目を近づけると、27インチの「MA270S」の方が細かな部分までシャープで曲線も滑らかに見えます。緻密な絵を描きたい方や、画面上でできるだけ高精度に仕上がりイメージを把握したい方には27インチの「MA270S」の方が向いていると言えそうです。
リフレッシュレート
「MA270S」が70Hz、「MA320UG」が120Hzという違いはありますが、日常的な作業ではどちらも使いやすく感じました。ただページを頻繁にスクロールしたり、マウスポインターを素早く動かしたりする際は120Hzの「MA320UG」の方がより残像感が少なく見やすかったです。ペイントアプリや画像編集アプリでブラシやペンツールを使うときも、ペン先の動きや筆致などの見やすさが向上するので、細かく描きこむタイプのイラストレーターやデザイナーには嬉しいポイントではないでしょうか。
このほか、2モデルに共通する特徴として、Thunderbolt 4ポートを搭載しており、映像・データ・音声入力と96W給電に対応しているのも大きなメリット。MacBookは出先に持ち運んで使うことも多いので、ケーブルを1本繋ぐだけでMacBookに給電しながら映像をモニターに表示できるのはとても便利です。しかも、接続のたびにいちいち調整しなくてもMacBookの色味をそのまま再現してくれます。出先と仕事場、自宅という具合に環境が変わっても、ベンキューのMAシリーズがあればシームレスに作業を進められるのは魅力的に感じました。
2モデルを並べて同じ表示を比較すると、右の「MA270S」は斜めの線もジャギーが出ずに滑らかな印象でした。
モデル別おすすめポイント
- 31.5インチという画面サイズを採用しており、広い作業領域を確保することが可能
- リフレッシュレートが120Hzと高く、マウスポインターの動きやページスクロール、高フレームレート動画などが滑らか
- グレアパネルを採用しておりコントラストが高く、画面のメリハリや黒の締まりがMacBookに近い
- 動画コンテンツをMacの色味に近しい表示で、大画面で楽しみたいユーザー
- マルチタスクを快適に行いたいユーザー
- 煩雑になりがちなパネルやタイムラインを見やすく表示して作業したい動画編集者
- 広い作業領域で生産性を上げたいユーザー
- 27インチ5Kという高精細な液晶パネルを採用しており、小さな文字や細い線がぼやけたりジャギーが出たりせず滑らか
- 色味や画素密度、グレアパネルによるメリハリのある表示がMacBookに近く、一貫性のある作業環境を実現できる
- 画面が精細なためスケーリング解像度の調整がしやすい
- MacBookに近い色味や操作感で外部モニターを使いたいユーザー
- 27インチの高精細な画面でPC作業や動画視聴を楽しみたい方
- ディテールにこだわったイラストを制作したい方
- 4K素材の動画を編集する方
ほかにもこだわりの機能が盛りだくさん
ここまで、「MA320UG」と「MA270S」の特徴を紹介してきましたが、ほかにも便利な機能が数多く搭載されています。
たとえば、充実したインタフェース。HDMI 2.1×2、Thunderbolt 4(96W給電・映像入力・データ転送)×1、Thunderbolt 4(15W給電)×1、USB Type-C(35W給電・映像入力・データ転送)×1、ヘッドホンジャック×1を搭載するほか、USB Type-A下りポート×2、USB Type-C下りポート×1を装備しておりUSBハブとしても使用可能。下りポートにプリンターなどの周辺機器を繋いでおけば、MacBookをデータ転送対応ポートにケーブル接続すると同時に、それらの周辺機器を使用できるようになります。
また、画面のちらつきを抑える「フリッカーフリー」や、有害なブルーライトを低減する「ブルーライト軽減」など、長時間作業に配慮した目に優しいアイケア機能も搭載。
さらに、MacBookのキーボードからモニターの明るさや音量を操作できるのも便利なポイント。普段MacBookで行っている感覚のまま設定を調整できるため、外部モニター利用時もスムーズに操作できます。
付属のスタンドは、150mmの高さ調節のほか、-5°〜20°のティルト、左右15°のスウィーべル、90°回転して縦表示可能なピボットに対応しています。実際に普段使っている机に設置してみましたが、あまり力を入れなくても高さや向きを柔軟に調整できたのが好印象でした。
どちらのモデルも、HDMI 2.1×2、Thunderbolt 4(96W給電・映像入力・データ転送)×1、Thunderbolt 4(15W給電)×1、USB Type-C(35W給電・映像入力・データ転送)×1、ヘッドホンジャック×1、USB Type-A下りポート×2、USB Type-C下りポート×1を搭載しています
付属のスタンドは高さ調整やティルト、スウィーべル、ピボットなどに対応しています。
MAシリーズで作業環境を快適に
MacBookとケーブルで繋ぐだけでその色味を高精度に再現でき、デザインの親和性も高いベンキューのMac向けモニター「MA320UG」と「MA270S」。
画面サイズや解像度、リフレッシュレートなどに違いはありますが、どちらもMacBookでの作業をより快適にしてくれます。また、外部ディスプレイと組み合わせて使用することの多いMac miniユーザーにとっても、Macとの色味やデザインの統一感を重視した作業環境を構築しやすいモニターです。
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