2か月連続で好業績が続くTSMC

世界最大のファウンドリであるTSMCは4月10日、2020年3月および第1四半期(1~3月期)の業績(速報値)の発表を行った。それによると3月の連結売上高は前年同月比42.4%増、前月比21.5%増の1135億2000万NTドル(約4100億円)だったという。

単月売り上げで初めて1100億NTドル超えを達成し、同社の単月売り上げとして過去最高を更新したという。2月の売上高も前年同月比53.4%増の933億9400万NTドルで、新型コロナウイルスの感染拡大が世界的な問題となる中でも好業績が続いていることが見てとれる。この結果、第1四半期の売上高も同社の事前予測よりも高い前年同期比42%増の3105億9700万NTドルとなり、四半期ベースで過去2番目の高水準となったという。

  • TSMC

    TSMCの2020年3月および第1四半期の売上高 (出所:TSMC)

UMCも四半期売上高で過去最高を記録

台湾2位のファウンドリUMCも、2020年3月の売上高が前年同月比41.1%増、前月比7.1%増の145億7040万NTドルと、単月売上高として過去2番目の高水準を記録した。2月も前年同期比30.1%増の136億640万NTドルと好調で、その結果、第1四半期の売上高も前年比29.7%増の422億7000万NTドルとなり、同社の過去最高業績を更新しており、TSMC同様、現在のところ新型コロナウイルスによる影響が出ている様子はうかがえない。

ファブレスも好調の台湾、ただし第3四半期以降は不透明

台湾の電子産業メディアDigitimesの複数の台湾に拠点を有するファブレスIC設計会社に関する報道によると、3月から4月にかけて好業績が続いており、これは第2四半期前半まで続く見込みだという。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックにより、エンドマーケットの需要の不確実性が高まりを見せており、世界的な消費者の購買意欲が弱まってきており、台湾のファブレス企業各社への顧客からの注文も鈍化を見せ始めており、こうした動きの結果、第2四半期後半から第3四半期の受注見通しについては不透明さが増しているという。ただし、それまでに新型コロナウイルスの感染拡大が終息すれば、顧客からの注文数の増加も期待できるようになるともされている。

医療向け、PC向け半導体需要が増加する台湾

3月、半導体業界で好調だったのは、医療・ヘルスケア機器向けMPUを手掛けるHoltek SemiconductorやSonix Technologyなどのほか、ノートPC向け半導体を手掛けるSMedia Technology、Elan Microelectronics、Global Mixed-mode Technology(GMT)、Novatek Microelectronics、Parade Technologies、Realtek Semiconductor、Richtek Technologyなどであったという。また、Digitimesによると、PCメーカーであるAcerやODMであるCompal、Inventecなどの3月の売上高が高い伸びを示したとのことで、世界的に拡大する在宅勤務によるPC需要の急増が背景にあるとみられるという。