◆TMPGEnc Video Mastering Works 7 V7.0.14.16(グラフ3)

ペガシス
http://tmpgenc.pegasys-inc.com/

  • グラフ3

TMPGEnc Video Mastering Worksについては、こちらと環境を合わせて実施したので、やはりCore i9-9900K/Ryzen 7 2700X/Ryzen 7 3700Xの数字を混ぜてある。結果は御覧の通りで、Ryzen 7 3700XとかCore i9-9900Kには及ばないが、TDPを考えればむしろ速いというべきだし、Ryzen 7 2700Xを上回るエンコード性能なのは立派と考えて良いと思う。

◆DxO PhotoLab 2 V2.3.2.265(グラフ4)

DxO Labs
https://www.dxo.com/ja/dxo-photolab/

  • グラフ4

同じ条件で、DxO PhotoLab 2による写真のRAW現像も。ちなみにRyzen 7 4800HSではなぜか16Threadでの処理が不可能(上限が14Threadになっている)だが、他のCPUでは16Threadまで利用可能なので、若干条件が異なる。結果はというと、これもTMPGEnc Video Mastering Worksとほぼ同じ傾向であり、Ryzen 7 4800HSの性能はRyzen 7 2700Xとほぼ同等、というあたりと考えられる。

◆RMMT 1.1(グラフ5・6)

Rightmark.org
http://cpu.rightmark.org/products/rmma.shtml

今回はPreviewということで、メモリアクセス性能の数字はRMMTだけに絞らせていただいた。比較対象データはこちらのものである。

  • グラフ5

まずちょっと不思議なのがReadで、なぜかRenoirのみ一番性能が良い。もっとも「何故か」はある程度推定できる。MatisseとかはメモリコントローラがI/O Chipletに搭載されており、これとCPU ChipletはInfinityFabric経由での接続で、しかもダイ間接続になっている。対してRyzen 7 4800HSは機構的にはInfinityFabric経由ながら同一ダイ内であり、Latencyがその分少ないと想像される。2 Threadあたりまではそれほどの差が無い(1 Threadの場合は動作周波数が一番低い事もあり、一番性能が悪い)にも関わらず、3 Thread以上では他を凌ぐ性能を発揮するのは、これも関係していると思う。加えて言えば、そもそもRenoirのメモリコントローラは再設計されており、Matisseのものと異なる(LPDDR4xサポートのため)から、より性能が高くなっても不思議ではない。

  • グラフ6

ただその分Writeに関してはむしろ性能が下がるという不思議な構造なのは、メモリコントローラの再設計の際に省電力性を加味して、WriteはそこそこでReadの性能を上げる方に振った、という可能性もありそうだ。とりあえず、メモリコントローラ周りの振る舞いが異なる事だけは今回確認できた。