eスポタイトルは問題なし、重いゲームも設定次第でプレイ可能

GPU性能が特徴の製品なのでまず3D性能から見ていきたい。

まず製品比較に用いられることの多いFuturemarkの3DMarkの結果から。Fire Strikeでは8547、Time Spyでは3095ポイントだ。Fire Strikeの結果は、最新のミドルレンジGPUの半分よりもやや高め。一方、統合GPUと比較をすれば、最新のIce Lakeが搭載するIris Graphicsよりも数倍高い。つまり、それだけ遊べるゲームが増え、ゲームの画質も高めることができる。

  • Time Spy

  • Fire Strike

  • Night Raid

  • Sky Diver

統合GPUでよく用いられるゲームベンチマークのWorld of Tanks Encoreの場合、グラフィック品質を超高(1920×1080ドット、TSSAA HQ)としても10655ポイントで「素晴らしい結果」という評価で、快適に楽しめることを意味している。

  • World of Tanks enCore

そしてこれも軽量なeスポーツタイトルであるTom Clancy's Rainbow Six Siegeを試してみた。解像度を1920×1080ドット、画質オプションをすべて設定可能な最高の状態とした状態の結果は104.9fpsだ。最低fpsが60fpsを割り込むことはなく、本製品の場合は60HzパネルなのでV-SyncをONにした状態でコマ落ちのないスムーズな映像が得られる。

  • Tom Clancy's Rainbow Six Siege

現実的なところでFortniteを試してみた。プリセットの最高画質では30fps超だが60fpsを満たせず、高画質で56.48fpsというほぼ60fps近く、中画質では一気に149.3fpsへと向上した。高画質と中画質のプリセットをベースにその中間を詳細設定からカスタマイズしていくと画質とフレームレートのバランスをとることができるだろう。

  • Fortniteの1920×1080ドット。上から最高、高、中設定

続いてファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク。現行FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONほど高負荷ではないが、Intelの統合GPUでは最高画質を狙うにはやや重いゲームだが、こちらも1920×1080ドット、最高品質の設定で8056ポイント、「非常に快適」評価が得られた。

  • 続いてファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク

より重いFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークについては1920×1080ドットとするにはかなりムリがあった。たとえば軽量品質でも5807ポイントで「やや快適」評価だ。そこで1280×720ドット解像度で画質を標準品質としたところで6611ポイント「快適」評価が得られた。1920×1080ドットが難しいところは惜しいが、1280×720ドット画質では遊べるラインになるのでここは頼もしい。

  • より重いFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク

最後に登場したばかりのSTREET FIGHTER V ベンチマークを試してみた。こちらは検証時点でV-Syncをオフにできず60fpsが上限だが、1920×1080ドット、最高画質とした設定で59.99fpsが得られている。

  • STREET FIGHTER V ベンチマーク

さて、通常の用途におけるアプリケーション性能も紹介しておこう。PCMark 10のノーマルテストのOverallは4263。GPUがよく効くDigital Content Creationシナリオでは4136ポイントを記録しており、ここはIris Plus Graphics搭載モデルよりも大幅に高い。そしてEssentialsも8138ポイント、Productivityも6247ポイントだ。これは4コア8スレッドの第10世代Core搭載モデルと比べるとやや低いがそれほど離されてはいない。わずかにスコアが低い理由は本製品が第8世代であるためメモリクロックが低いことが影響していると考えられる。

  • PCMark 10

コンパクトな高性能モデル。ゲームはもちろんテレワークにも

G-Tune P3は、ゲーム性能で見るとは単体GPU搭載モデルよりは下だが、統合GPUモデルよりは断然上であり、軽めのゲームを中心に60fps超、重めのゲームはHD解像度&中画質あたりが狙える。この性能をCPUとGPUがワンパッケージのチップで実現しているので、コンパクト&(性能に対して)スリムなモバイルサイズながら本格的な高性能を備えるという、ユニークな製品に仕上がっている。13.3型ノート対応バッグなら余裕で収めることが可能だ。

ところでG-Tune P3、ゲーミングノートPCとしてはもちろんなのだが、このサイズでここまでの性能があると、「モバイルできる高性能ノートPC」という魅力も見えてくる。昨今話に挙がることが多いテレワークやリモートワークで、一つ上の快適さを得たいユーザーに対しても、実はかなりオススメできる1台ではないかと思うのだ。

■「G-Tune P3」(BTO試用機)の主な仕様
OS Windows 10 Home 64bit
CPU Core i7-8709G
GPU Radeon RX Vega M GH(CPU内蔵)
メモリ 16GB(DDR4-2400)
SSD 512GB(M.2 NVMe)
ディスプレイ 13.3型(1920×1080ドット)
インターフェース USB 3.0×2、USB 3.1×1(Thunderbolt 3、USB PD出力、DP Alt Mode対応)
ワイヤレス Wi-Fi 5(Intel Wireless-AC 9260)、Bluetooth 5.0
サイズ 307×215×19.9mm
重量 1.7Kg
バッテリー駆動時間 10.2時間