MicrosoftがWindows 8から導入したライブタイルを廃止するという噂が流れていたが、その噂を否定する情報を目にした。同社が米国時間2020年3月3日に開催したWindows Insider Webcastでは、ライブタイルを無効に切り替えたときのスタートメニューを披露している。

  • Windows Insider Webcast

    Windows 10のスタートメニュー。「Windows Insider Webcast」より抜粋

ライブタイル自体は継続するが、ユーザーの好みに応じて選択可能になるようだ。最新のWindows 10 Insider Previewにもこの機能は展開されておらず、1つのアイデアとして見送られる可能性もある。だが、Windows 10 Insider Preview ビルド 19569から展開が始まった新アイコンが、Fluent Design Systemをベースにデザインされたことを踏まえると(Office 365の新デザインは2019年中から始まっている)、ライブタイルのさらなる進化はないだろう。

MicrosoftがFluent Design Systemを発表したのは2017年に開催したBuild 2017である。 概要は公式ドキュメントを参照いただきたいが、 この時点からライブタイルの根底にあるフラットデザイン(平面的なデザイン)を脱却し、マテリアルデザイン(物理原則に基づいたデザイン)へ移行する意図があったのだろう。付け加えるなら、2020年中には登場するはずのWindows 10Xでも、ライブタイルを目にすることはない。

Cortanaも・・・

ライブタイルの縮小はデザインが理由となるが、一般ユーザーから不人気だったCortanaは戦略的撤退となる。Microsoftが米国時間2020年2月28日に公開した公式ブログによれば、CortanaはMicrosoft 365やBingとの連携に注力し、米国でも法人向け機能に限定。Android版Microsoft Launcherとの連携も2020年4月末に終了するという。

  • 英語以外では使用できなくなるCortana(Windows 10 バージョン2004)

すでにCortanaはWindows 10 バージョン1903でエクスプローラーと分離し、2020年春にリリース予定のバージョン2004以降は、利用環境も英語に限定される。よって、Cortanaを縮小するというMicrosoftの方針転換が、日本のWindows 10ユーザーに及ぼす影響は少ないだろう。Cortanaは音声UIに注力するよりも、パーソナルアシスタントとして多くの利便性を提供できていれば、Cortanaの未来は変わっていたはずだ。

阿久津良和(Cactus)