半導体市場調査会社の米IC Insightsは、集積回路およびオプトエレクトロニクス、センサ、ディスクリート(O-S-D)デバイスを含む半導体すべての2020年における年間出荷数は、前年比7%増の1兆360万個になるとの見通しを発表した。年間で1兆個を超えるのは2018年に続いて史上2回目となる。

半導体の出荷個数は2018年、史上初めて1兆個を突破したものの、2019年はメモリバブル崩壊や米中貿易戦争によるマクロ経済の減速などを背景に前年比8%減の9670万個に後退していた。2020年はグローバル経済の回復などから、出荷個数の増加が期待できることから、再び1兆個超えを達成する見込みだとしている。

この結果、1978年から2020年までの半導体出荷個数の年平均成長率(CAGR)は8.6%になり、シリコンサイクルが幾多も繰り返されてきた中で、これだけの数字を維持できていることは魅力的な市場の証明であるとしている。

  • 半導体出荷数

    1978年から2020年までの42年にわたる半導体の年間出荷個数推移 (出所:IC Insights)

2020年の半導体出荷個数の比率は、非ICであるO-S-Dが全体の2/3以上となる69%を占める見込みである。この割合は、長年にわたってかなり安定したままであるとIC Insightsでは説明している。また、2020年に数量ベースでもっとも成長率が高いと予測される半導体カテゴリとしては、スマートフォンや車載エレクトロニクスシステムの構築に不可欠なビルディングブロックを構成するためのデバイスであったり、および人工知能、クラウド、ビッグデータシステム、深層学習用途で使用されるコンピューティングシステムに不可欠なデバイスであるとIC Insightsでは指摘している。

  • 半導体出荷数

    2020年の半導体出荷個数における各製品カテゴリの内訳 (出所:IC Insights)