東京・中野サンプラザで2月8日、AV機器の専門店フジヤエービック(東京・中野)主催の「ポータブルオーディオ研究会(ポタ研) 2020冬」が開催されました。このイベントでは、さまざまなオーディオブランドが新製品や開発中の試作機などを出展。今回は、比較的手ごろな価格帯で製品化されそう、もしくは販売が実現しそうな製品に注目してレポートします。
finalから手ごろな新イヤホン試作機が! さっそく聴いた
S'NEXTは、finalブランドで開発中のプロトタイプイヤホンを参考出展。「Proto-A」と「Proto-B」の2機種があり、見た目は既存のB seriesのイヤホンに似ていますが、製品化にあたってA seriesやB seriesのいずれに属する製品になるかは未定。価格も決まっていませんが、「1万円程度を想定している」とのこと。
どちらも新しいダイナミック型ドライバー×1基を搭載。樹脂製の本体は、手にとると見た目以上に軽くて驚きました。試作機ではケーブルがボンドで固定されていましたが、製品化されたときは2pin端子による着脱が可能とのことです。
来場者には実際に音を聴いてもらい、今後の製品化にあたって意見を聞いていました。ブース前には多くの来場者が集まって列を作り、1人あたり各機種5分程度という時間の中で、final試作機の新しい音を真剣にチェックしていたのが印象的でした。
筆者も手持ちのウォークマン「A100」につないで聴いてみました。ドライバー自体は同じながら、音のチューニングなどを替えているため、サウンドの傾向が分かりやすく違います。
「Proto-A」は比較的音場が広く、バランスの取れた音で低域もしっかり聞こえ、ジャズやクラシック、サウンドトラックをじっくり聴くのに向いている感じです。一方、「Proto-B」はProto-Aよりも音の広さが少し狭まり、ライブハウスでガンガン聴きたいロックサウンドなどにマッチする印象でした。手ごろな価格帯の高音質イヤホンに新たな選択肢が増えそうで、今から楽しみです。
USB-C直結で高音質、Questyleの超小型DACアンプ試作機
S'NEXTブースでは、上述の試作機をはじめとするfinalイヤホンのほかにも、取り扱っているさまざまなブランドのヘッドホン/イヤホンを出展。ポータブルプレーヤー製品で知られるQuestyle(クエスタイル)ブランドからは、スマホのUSB Type-C端子に直結する小型DACアンプ「Q-Link」の試作機が参考出展されていました。
Questyleの高級プレーヤーのアンプ技術をICチップに収めて小さな本体に搭載。取り回しを良くするための比較的柔らかめのUSB-Cケーブルが直付けされており、本体にはステレオミニのイヤホンジャックを備えています。
手持ちのXperiaに試作機をつないでチェックしてみたところ、最高384kHzまでのPCM再生ができるようです。有線イヤホンで音を聴いてみると、比較的ニュートラルなサウンドで味付けは控えめ。Spotifyなどの音楽ストリーミングアプリの曲を流すこともできました。
試作機の本体カラーはシルバーとブラックの2色があり、価格は未定ですが1万円を切る見込みです。イヤホンジャックのないスマートフォンに有線イヤホンをつなぎたい人にとって、注目の一品となりそうです。
1万円台からのノイキャン付き完全ワイヤレス!米Ausounds日本上陸
コペックジャパンのブースでは、同社が新たに取り扱う、米Ausoundsのワイヤレスイヤホンを紹介していました。独自のチタンドライバーを搭載した完全ワイヤレスイヤホン3機種と、ネックバンド型のワイヤレスイヤホン1機種があり、このうち完全ワイヤレスにはアクティブノイズキャンセリング(NC)機能を搭載モデルが2つありました。
2種類のマイクで耳の内外の騒音を低減する、ハイブリッドNC対応の「AU-Stream Hybrid」は税込22,000円程度、外の騒音のみ抑えるNC対応「AU-Stream ANC」は税込17,000円程度。NC機能を備えていない「AU-Stream」は税込11,000円程度で、いずれも3月発売を予定しているそうです。
NC対応のネックバンド型ワイヤレスイヤホン「AU-Flex ANC」もあり、税込23,000円程度で3月発売予定。ドライバーに低域用のダイナミック型と平面磁気タイプを採用したハイブリッド仕様となっているのが特徴で、コーデックはLDACもサポート。高音質なワイヤレス再生を追求したモデルとなっています。