淹れ方を変えれば、味の違いが分かるように

ミル挽きの粗さや抽出コースを変えて、何度か淹れてみました。

リッチテイストでミネラルフィルターをストレートにすると、濃度が「1.32」と濃いめの仕上がり。スッキリした中にも、コーヒーのほどよい苦味と酸味が楽しめます。また、マイルドコースでミネラルフィルターをソフトにすると、濃度は「1.17」に。酸味が確かに抑えられ、コクが感じられました。

得平:ミネラルフィルターは、コーヒー豆をこだわって用意する人にとっては、味がマイルドになりすぎると感じるかもしれません。好みの分かれるところです。NC-A57は、メッシュフィルター、ミネラルフィルター、活性炭フィルター、ペーパーフィルターと、いくつものフィルターを使うのが特徴のひとつ。味を調整するパーツが多く、味の違いを楽しめる一方で、最初は少し分かりづらいかもしれません。ただ、淹れ方で味がちゃんと変わるので、ビギナーから中級者が本格的なコーヒーを気軽に楽しむにはとても良い製品に仕上がっています。

  • パナソニックの沸騰浄水コーヒーメーカー「NC-A57」

    テイスティング。「値段だけのことはある」と得平氏。ほめ言葉ですよ!

カフェインレスのデカフェ豆も

デカフェ豆コースも試しました。蒸らしと抽出のプログラムをデカフェ豆に最適化しており、デカフェ豆でもコーヒーのコクが楽しめるコースです。

基本的にデカフェ豆は、カフェインと一緒にフレーバーやコクが飛んでしまうため、風味が落ちます。今回も、半信半疑を抱えてのテストでした。

豆はタリーズの「オーガニック&カフェインレス」を使用。エチオピアのモカ(MOCHA)をベースに、マウンテンウォーターという化学薬品を使わない製法で、香りとフルーティな風味を残しています。

得平:結論から言うと、想像していたよりも風味がしっかり残っていました。今まで飲んだデカフェコーヒーよりずっと美味しい。コーヒーは好きだけれど、カフェインは減らしたい、減らさないとならないといった人には、うれしい機能です。

総合評価では、味の再現性を4.5としました。マイルドコースやミネラルフィルターのソフト設定は、コーヒーが飲みやすくなりますが、一方でコーヒーの個性も抑えてしまいます。個性を出したいときは、豆を少し多めに、濃いめに淹れるとよさそうです。

得平:香りの評価は「4」になっていますが、淹れている間はけっこう香ります。抽出中の香りを重視する人なら、4.5と見てもよいでしょう。

NC-A57は、ビギナーから中級者が本格的なコーヒーを気軽に楽しむには、とても優れた仕上がりと感じました。味の違いが分かるようになりたい人にもオススメです。

  • パナソニックの沸騰浄水コーヒーメーカー「NC-A57」