世界のパソコン出荷台数が8年ぶりに増加に転じた。米調査会社Gartnerが現地時間1月13日付けで発表したレポートによると、2019年の年間を通したパソコンの出荷台数は2億6,123万台が見込まれ、2018年の2億5,976万台をわずかに上回った。この調査で年間出荷台数が前年を上回るのは実に2011年以来の出来事だ。

シェアトップは市場の24.1%を占めたLenovoが維持し、以下22.2%のHP、16.8%のDellと、昨年同様の顔ぶれが並ぶ。

  • 世界パソコン出荷台数 2019年は0.6%増の2.6億台、2011年以来の成長

    2019年のパソコン出荷台数(暫定予測による速報値、出典:Gartner)

背景として、2020年1月14日に予定されていたWindows 7のサポート終了に備え、法人顧客を中心にWindows 10への買い替え特需が発生していたことがあげられる。地域別では、中国の変調でアジア太平洋地域が前年を下回るなど苦戦したが、経済状況が安定していた北米や日本が好調に台数を伸ばしたという。

調査では、2019年は先進各国を中心にWindows 10へのアップグレードが進み市場をけん引したが、まだ多くの新興国ではアップグレードが完了していないというデータから、2020年以降も引き続きWindows 7からの買い替え需要が世界のパソコン出荷台数を下支えするだろうと予測している。

また調査では、昨年中旬から問題になりはじめ、現在も解決していないIntelのCPU供給不足が、高性能CPUの需要家であるトップ3メーカーのパソコン出荷に影響していたと指摘している。このIntel CPUの供給不足がなければ、2019年の出荷台数はさらに上振れしていたと見られる。