米国生まれのアマゾンは、自社のAlexaを搭載するスマートデバイスや、パートナーによるAlexaビルトインの製品を一堂に集めたブースをCESの会場に出展しています。今年は、特にオートモーティブの展示にも力を入れていました。
2020年の時点で、Alexa対応のスマートデバイスは9,500のブランドから10万を超える製品が出そろったといいます。デベロッパーが開発したスキルの数も、10万件を超えたそう。マルチエンターテインメントプレーヤーのFire TVシリーズで楽しめるコンテンツも着実に増え、世界中にいま月間4,000万のアクティブユーザーがいるそうです。
アマゾンは今年もAlexa、Fire TVを軸としたスマートプラットフォームとエンターテインメントをより積極的に拡大していく方針を明らかにしています。CESにアマゾンが出展するブースには、日本にまだ上陸していないものも含め、Alexaを搭載するユニークなスマートホームデバイスや自動車が数多く並んでいます。これはぜひ使ってみたいと思わせる、意外な使い方ができるアイテムもありました。
スマートスピーカーと一体になった電動歯ブラシも
P&Gは、ブラウン「オーラルB」シリーズの電動歯ブラシを、Alexa内蔵のスマートスピーカーに合体させました。歯ブラシの充電スタンドがスマートスピーカーになっています。
ウェイクワードを話しかけると、充電スタンドのLEDが青く点灯。声が聞こえてきた方向が緑色に光る様子は、まさしくEchoシリーズのスピーカーと同じ。Amazon Musicで音楽をかけたり、Echoと話しながら天気予報を聞いたり、さまざまなスマートホームデバイスが操作できます。ブラシが歯に強く当たっているとLEDが赤く点灯して声でアラートしてくれる、歯ブラシならではの便利な機能も搭載しています。
アメリカでは、すでに複数のブランドからAlexaを内蔵するスマートミラーが商品化されています。simplehumanのSensor Mirrorも、本体にマイクとスマートスピーカーをビルトインした製品です。鏡の周囲に配置したLEDの明るさや色合いを音声で切り換えたり、身支度をしながら音楽を聴いて過ごせます。
日本の寝具メーカーとして知られる西川も、今年初めて単独のブースをCES会場に構え、Alexaと連携するスマートマットレスAiRシリーズのコンセプトを紹介していました。
マットレスの中に着脱可能な感圧センサーを装着し、ユーザーの入眠や起床の動作を検知。眠りにつくと、センサーからAlexa搭載のEchoシリーズにコマンドを飛ばしてスキルを動かし、スマート照明がオフになります。スマート家電を一斉に動かすルーチンと連携させることも可能とのこと。
西川では、睡眠に関連するコンシェルジュサービス「ねむりの相談所」で培ったノウハウや睡眠科学の実績を、新たなスリープテックの事業に活かしていくことを検討しており、CESの出展で得た反響を製品やサービスの開発に活かしていくそうです。
アマゾンは、Alexaを育児のために積極的に活かしていく提案にも力を入れています。アメリカでは、Alexaに連動するスマートトイがすでに数多く商品化されていて、アマゾンからもスマート照明の「Echo Glow」が発売されています。Echoシリーズのスマートスピーカーと連携して、食事の時間になったら子ども部屋にいる子どもたちをライトの点滅で呼び出したり、音楽に合わせて光の色を変えられる遊び心のあるスキルなどを用意しています。