ピジョンポジショニングセンサーとGPSの搭載が大きい
続いて、Mavic Miniが搭載するピジョンポジショニングセンサーとGPSの働きについても見ていきましょう。
発表会のトライアルでピジョンポジショニングセンサーの効果は実感していますが、フライトした会場は室内で風のないところでしたので、屋外で飛ばした場合はどうか気になっていました。
今回フライトした場所を持参した風速計で測ったところ、コンスタントに風速4~5m/sが出ており、時折風速6~7m/sまで風が強くなる日でしたので、その実力を試すにはある意味よい条件となりました。
Mavic Miniは、ホバリング時でも風で大きく流されてしまうことはなく、比較的安定しています。ホバリングの状態からゆっくりと移動させてみましたが、風に大きく流されて進行方向が変わってしまうことはありませんでした。スペックでは、風速8m/sまでならば問題ないようですので、それを実証したものといえます。
ただし、いくらパワーのあるブラシレスモーターを採用していても風の抵抗は小さな機体には大きいらしく、10分ぐらいのフライトでローバッテリーとなり、帰還を促すアラートが鳴り始めてしまいました。今回のように風の強い日は、多めに予備のバッテリーを準備しておく必要があるでしょう。
ドローンの機体と送信機は、microUSB経由で充電できます。充電時間は思いのほかのんびりしているので、急速充電が可能なUSB Type-Cに対応してほしかったところです。機体用のバッテリーは、機体のUSB端子からのほか、バッテリーを最大3個まで収納できる充電ハブ(こちらもマイクロUSB)からも充電は可能です。この充電ハブはモバイルバッテリーとしても使用が可能なので、ぜひそろえておきたいアクセサリーのひとつといえます。
ほとんどのトイドローンでは省かれていたGPSを搭載したことで、フライト時の位置を画面上のマップに示すだけでなく、離陸した場所まで自動的に戻る「RTH」(リターントゥホーム)機能の搭載を可能にしています。こちらも実際に試したところ、正確にホームポイントまで戻ってきました。フライト時に手間をかけずに機体を戻したいときなどは、たいへん心強く思えます。なお、フライトモードが通常使用することの多い「Pモード」の場合、GPSの電波を捕捉できないと高度制限がかかりますので、Mavic Miniの電源を入れたら電波を捕捉するまで暫く待ってからフライトを開始することをオススメします。
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プロポに備わるRTH(リターン・トゥ・ホーム)ボタン。飛行中このボタンを押すと、ホームポイントに正確に戻ってきます。GPS搭載のドローンならではの機能です。DJI Flyの画面にも同ボタンを用意しています
ベテランも満足できる「空飛ぶカメラ」
これまでのトイドローンの概念を打ち破る完成度を持つMavic Mini、ドローンの初心者からベテランまで広く楽しめると感じます。トイドローンというにはちょっと高価に思えますが、性能を考慮すると納得できる価格でしょう。愛用しているカメラと一緒に持ち歩き、空撮がしたくなったら素早くフライトし、カメラでは成し得ないアングルで撮影を楽しむ――ふだんのカメラライフをより楽しくしてくれるドローンといえます。
最後に、改めて法令について触れておきましょう。Mavic Miniは、航空法の適用除外となる重量199gの模型航空機ですが、前述のとおり空港周辺の飛行や、航空機の飛行に影響を及ぼす行為は禁止されています。人が集まるイベント上空の飛行も控える必要があるでしょう。航空法以外でのドローン規制(小型無人機等飛行禁止法、道路交通法、条例など)については、200g以上のドローンと同様に規制が及びます。そのため、飛行にあたってはこれらの法令を熟知しておく必要があるとともに、ルールやマナーも十分理解しておかねばなりません。楽しいドローンライフがいつまでも楽しめるように、くれぐれも安全なフライトを心がけてほしいと思います。