ジンバル付きカメラの画質はトイドローンの常識を覆す
カメラ関連では、やはり強力な3軸ジンバルの存在は語らずにはいられません。前述のとおりフライトは風の強い日でしたが、風の影響で機体が大きく揺れても、撮影した動画はとても安定していました。動画、静止画とも、3軸ジンバルの恩恵を強く受けることでしょう。
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カメラユニットは3軸ジンバルに懸架されます。カメラは1/2.3インチのCMOSセンサーで、画素数は有効1200万画素。動画の最高画質は2.7K/30pです。レンズは35mm判換算で24mm相当、開放F2.8で絞り機構は省略されています
カメラ機能としては、動画が2.7K/30fps、静止画が1200万画素となります。動画のビットレートは40Mbpsと低く、静止画ではAEB(露出ブラケティング)機能などが省略されているのは少々残念に思えます。また、絞り機構を備えていないため、動画撮影のみならず静止画撮影でもNDフィルターが欲しく思えました。すでにサードパーティからNDフィルターはリリースされているようですが、ぜひメーカー純正もほしいところです。
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Mavic Miniで撮影した写真。軽量なドローンですが、ホバリング時の安定性が高く、静止画の撮影ではシャープな画像が得られます。1/2.3インチのイメージセンサーですが、階調再現性は良好でクリアな写りです
付属のプロポ(送信機)は液晶パネルなどがないシンプルな造り。専用のフライトアプリ「DJI Fly」をインストールしたiPhoneやAndroidスマホを接続して使用します。上位モデル用アプリ「DJI GO 4」と比べるとシンプルな画面ですが、位置情報や高度、ホームポイントからの距離、バッテリー情報、電波状況など必要な情報はすべて表示されますので、安全飛行に差し支えることはありません。
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フライトモードは、通常の「ポジション」モードのほか、パワーのあるフライトが楽しめる「スポーツ」モードと、ゆっくりとフライトする「シネスムーズ」モードの3つを搭載しています
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最大高度や最大飛距離、RTH(リターン・トゥ・ホーム)時の高度の設定画面。トイドローンであるMavic Miniは、最大高度に制限はありませんが、航空機などの安全を考慮した最大高度に設定する必要があります
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DJI Flyには、テンプレートによる自動編集機能が備わっています。動画編集の知識や経験がなくても、本格的な映像が作成できます
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こちらはマニュアルによる動画編集機能画面。カット割りなどに加え、トランジションや音楽を付加することもできます。その場で動画を編集し、すぐにSNSにアップすることも可能です
DJI Flyは、映画のようなカメラワークが楽しめるクイックショットモードも搭載しています。モードはドローニー、ロケット、サークル、ヘリックスの4つ。作例ではサークルしか掲載していませんが、ベテランでも難しいカメラワークをドローン任せで手軽に楽しめます。
Mavic Miniで撮影した動画。きわめて安定しており、トイドローンの印象を覆すクオリティだと感じます。カメラの角度を真下などに変更できるのも、トイドローンらしからぬポイントです
DJI Flyの編集機能を利用して作成した映像。このレベルの編集なら、誰でもすぐに楽しむことが可能です
こちらは、DJI Flyの自動編集による短編映像です。音楽やトランジションも自動的に付加してくれます
クイックショットモードの「サークル」で撮影した映像。テクニック的に初心者には難しいノーズインサークルも、ドローン任せで手軽に撮影できます