Googleは11月28日、ルータ新製品「Google Nest Wifi」の説明会を都内で開催しました。発表されたのは、いわゆる“親機”のGoogle Nest Wifiと、“中継機”として動くGoogle Nest Wifi拡張ポイントで、11月29日にオンライン及び大手量販店で発売されます。
Wi-Fiは家のデバイスを活用する土台
Google Nest担当のSanjay Norinha氏によると、家庭内のデバイスをたくさん使うため土台として、家にはよりよいWifiが必要だといいます。「家のデバイスをもっと活用させる」というミッションを背負って、Googleのルータはリリースされました。
まず発売したのが、2018年4月に登場した前モデル「Google Wifi」です。Google Wifiは複数のルーターをワイヤレスメッシュで接続し、(米国の)広い家をカバー。また、設定をスマートフォンからシンプルに行える点が評価されたといいます。
家でWi-Fiがつながりにくい問題を解決
次世代のルータ製品を開発する際に、ユーザー調査を行ったところ、いくつかの問題点が見つかったといいます。
家庭用無線ルータを使う人の4分の1は、多くのデバイスを接続するとWiFiの品質が落ちることに不満を持っており、ルータを毎週のように再起動している人も7割いたとのこと。また、家庭内のWi-Fiデバイスは平均18と多く、家庭用無線ルータを使う半数は、今後一年でスマートホームデバイスを購入したいと考えている、という結果が出たそうです。
このような調査結果から、信頼性と安全性が高く、スマートに家庭内で利用できるモジュール型の製品が望ましいと判断。そこで今回、メインのルータと、拡張ポイントの2種類を開発するに至りました。
アンテナ無しの丸デザインでリビングの中心へ
新製品では4つの改善が行われました。一般的なルータやアクセスポイントは、アンテナが製品の外に飛び出しているイメージがあり、これによって物陰に設置する例が多いと分析。そこで本体を白く、家庭のどこにでもなじむデザインにしてオープンな場所においてもらい、機器への接続性を上げるようにしています。
さらに拡張ポイントにはGoogleアシスタントを内蔵し、スマートスピーカーとして使えるため、これもオープンな場所に置きたくなるつくりになっています(Google Nest Miniと同じスピーカーを内蔵)。通信速度が遅いときには、「OK Google, Wi-Fi の通信速度を教えて」と言って、端末の通信速度を確認できます。また、管理アプリはGoogle Homeアプリに統合されているので設定もシンプルです。
また、来客者のためにゲストネットも設定可能。Google Nest Hub(max)があれば、ディスプレイにQRコードを表示し、簡単にWi-Fiを使ってもらえます。
通信はIEEE802.11ac準拠、MU-MIMO対応
ネットワークそのものはIEEE802.11a/b/g/n/acで、MU-MIMO(ルーターは4×4、拡張ポイントは2×2)もサポートできます。またスマートホーム向けにBluetooth Low Energyに対応。IEEE802.15.4スレッド(2.4GHz)にも、来年中旬頃に対応する予定です。
自動最適化機能として自己回復ネットワーク、送信ビームフォーミング、801.11.k/v クライアントローミング、プロアクティブ バンド ステアリング機能(チャンネル自動設定)を搭載し、セキュリティとしては最新のWPA3もサポートしています。
メッシュアクセスポイントとGoogleアシスタントが一体になっているのはなかなか面白そうで、さっそくルーターを交換したうえでリビングに拡張ポイントを設置してみました。
自宅は二階建てで、普通の家と異なり「光回線を二階に引き込んでいる」ので、一階のトイレと風呂場が死角です。Google Nest Wifiを使うことでリビングのGoogle Homeと同じ使い勝手に加えて、家中のWifiが快適環境になりそうです。