RPA導入の成功事例

RPAを導入したことで、成功を果たした事例を部門別にてご紹介しますので、ぜひともご参考にしてください。成功事例では、問題定義を行い、RPAで解決できる部分と難しい部分の選定を行います。最後にRPAを導入したことによる効果についてです。RPAには向き不向きの業種や職種があるため、適切な場合に導入しなければ効果が期待できないことも充分に考えられます。では、成功事例をみていきましょう。

RPA導入の成功事例①:経理業務

大手銀行でもRPA業務を早期から取り入れており、業務の効率アップを成功させています。紙業務をRPA化することで、全ての業務をあわせると、約300万時間以上の短縮をしました。300万時間というと、1人あたり1日8時間の稼働とし、日数に計算すると37.5万日です。1年120日休日の場合、246の出勤日数で計算すると、約1,524年分の人件費削減となり、1年で考えると1,524人分の人件費削減となります。

経理業務への導入理由や現状の課題

導入理由の背景としては、人件費削減はもちろんのこと、人的ミスなどが重視されていました。また、業務の重複を防ぐためにもRPA導入はとても期待されていました。人が業務を行っている場合、別の人が同じような業務をしていることがあり、一方の時間が無駄になります。また、データや情報が重複しており、内容が少しでも異なる場合、どちらが正しいのかわからなくなることが懸念されていました。

経理業務へのRPAの効果

RPAの効果は絶大なもので、RPA自動化業務に移行が可能なものを、さらに選定して導入を増やしていくことが検討されています。また、その他の銀行や一般企業での経理部門にも、これらの効果が広まり、導入されています。

今まで行っていたダブルチェック作業や突合せ作業が減り、その分の時間を別の業務に割くことができるようになりました。その為、より社員の教育やスキルアップに繋がり大きなメリットがでました。

RPA導入の成功事例②:バックエンド部門

バックエンド部門でRPAがとても活躍している業種がオンラインショッピングです。ECサイトという言葉をよく耳にするようになりましたが、「electronic commerce」の略語で、オンラインショッピングなどが当てはまります。

RPAがECサイトのバックエンドに導入されてから、爆発的にネットショッピングが広まり、今では当たり前にオンラインで買い物をする方が増えています。

導入理由や現状の課題

ソフトウェアなどの開発で、フロントエンドとバックエンドという言葉がありますが、簡単にオンラインショッピングに置き換えると、フロントエンドはユーザーがオンラインで商品を探すことを言います。そして、バックエンドはオンラインで購入されたあとのことを言い、購入後は別のサーバーで管理されています。ECサイトではこの前後の作業を自動化することで、発注間違いや受注漏れなどをなくすという課題がありました。

バックエンド部門におけるRPAの効果

RPAを導入して、フロントエンドとバックエンドを連動させることで、人的ミスが圧倒的に減っただけでなく、人的作業カットに成功しました。バックエンドが、ユーザーの購入作業と連動しているため、受注確認メールなどを手動で行う必要がなくなりました。RPA導入のおかげで、オンラインショッピング業界は比較的少人数で運営できるようになりました。人材確保と場所がいらないため、比較的簡単に開業することができます。

RPA導入の成功事例③:地方自治体

地方自治体での成功事例としては、「ふるさと納税」があげられます。ふるさと納税を行うことで、その土地に行かなくても、地方の活性化アップに取り組めるため、今では多くの自治体が取り組んでいます。

RPAを導入することで、新たにふるさと納税に対する人員の導入を最小限に抑え、取り組むことができ人員増員問題を解消しました。今後もふるさと納税を続けていく地方自治体は増加傾向の見込みです。

地方自治体への導入理由や現状の課題

地方自治体では、若者の大都市への異動や少子化の問題により、近い将来深刻な人力不足が懸念されていました。人力が減る中で新たなジャンルにも取り組まないと、地方の収益がますます乏しくなるため、さらに若者離れが進みます。そうなると、地方の小さな街は過疎化が進み、最終的には地方の街が壊滅してしまうという課題を日本各地で抱えていました。どうにか、地方離れを食い止めるたいという想いが背景にあります。

地方自治体でのRPAの効果

RPAを導入し、ふるさと納税を行ったところ、とても反響がよくたくさんのふるさと納税が納められました。それにより、地方で働く方の売り上げにも貢献できることとなり、地方の企業の存続が可能になってきています。

ふるさと納税に取り組む地方の職員もRPAで業務により業務が簡素化されているため、新しい業務をこれまでの業務と併用してすぐにこなすことができました。ふるさと納税で仕事が増え、人離れも減っています。

RPA導入がうまくいかない失敗パターン

RPAを導入したけれども、予想外にも失敗したという事例も起こっています。どういったことで、失敗したのかをご紹介しますので、同じ事にならないように事前に確認をしておきましょう。

RPAで業務が簡素化され、人件費がカットされるというメリットばかり見ており、甘く考えていると思いよらぬ失敗につながる恐れがありますので、気をつけておきましょう。また、根本的にRPAに向かない業務がある事も知っておきましょう。

RPAの失敗例①:最終目標なく導入を進めてしまう

RPAを導入するには、最終的にどういった課題をクリアにしたいのかを明白にして進めなければ、ゴールが見えません。ただ、業務が楽になる、人件費削減ができるといったアバウトな最終目線だと、具体的にどのような業務が簡素化されるべきかという判断がつかない可能性があります。

作業者とRPA作成者の打ち合わせがきちんとされておらず、最終目線の意思疎通ができておらず、期待通りの結果にならないという事がありました。

RPAの失敗例②:現場の業務ユーザーの要望を吸い上げられていない

RPAの導入して失敗した原因の1つとして、現場の業務ユーザーの要望をしっかりと吸い上げられていなかったということがあります。

要望が吸い上げられていないにも関わらず、一般的な観点でRPAを導入してしまうという思い込みに近い状況で進めてしまったために、期待通りの結果に至らなかったということです。業務に対しての要望を把握するためにも、実際に業務に携わっている方がプロジェクトに加わることが望ましいです。

RPAの失敗例③:導入前後での数値による効果検証ができていない

RPAを導入する際に、導入前と導入後の効果検証を行わなかったことによる、失敗事例があります。業務でよく使われるPDCAのCを怠ってしまうケースです。

PDCAとはPLAN、DO、CHECK、ACTIONで構成されており、チェック、つまり検証を行うことで効果がでているかを確認します。効果が十分でなければその時点で、改善(ACTION)を起こし成功するまでPDCAを回します。

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