MicrosoftのPC「Surface」シリーズの新モデルが10月23日に発売された。日本で発売となったのは、「Surface Pro 7」「Surface Laptop 3」「Surface Pro X」だ。この3モデルとは別に、2画面のディスプレイを搭載した「Surface Neo」と「Surface Duo」、そしてSurface DuoはAndroid搭載であることも大きな話題となった。
日本マイクロソフトが10月19日に開催した発表会に合わせて来日した、米マイクロソフト モダンライフ、サーチ&デバイスGTMのマット・バーロウ(Matt Barlow) コーポレートバイスプレジデントへのインタビュー、前編に引き続き後編をお届けする。
―― Surface NeoやSurface Duoは、1台目のデバイスとしての利用を想定していますか。それともサブマシンとしての利用を想定していますか。
その答えは、お客さまから教えてもらおうと思っています。人によっては、セカンダリデバイスとして利用するかもしれません。一部の人は、1台目のデバイスとして利用するかもしれません。
また、Surface NeoとSurface Duoを組み合わせて利用する人もいるかもしれません。Surface Neoを小脇に抱えて、Surface Duoをポケットに入れて持ち運ぶことも可能ですよね。確かなのは、多くのユーザーに対して、新たな選択肢を提供できるようになるということです。
―― バーロウさんならば、どう使いますか?
Surface Neoならば、朝、会社に行くときに、バスを待ちながら、ブックモードでデジタルマガジンを読み、バスのなかではノートモードで気がついたことをメモしたり、その日のスケジュールを確認したりします。
会社についたら、テントモードにして2画面を使いながら、相手にはプレゼンテーションの資料を見せ、自分側のディスプレイにはプレゼンテーションに必要なメモなどを表示するといった使い方をしますね。さらに、ノートPCのような形状にして、キーボードを使って資料を作成したり、ペンでメモをしたりもするでしょう。
家に帰るとタブレットモードに。ひとつの画面でネットフリックスのビデオを見ながら、もうひとつの画面では、通販サイトで妻へのプレゼントを選ぶといった使い方ができます。
このように、Surface Neoは様々な使い方ができます。それは様々なシーンや用途で使えるということです。しかも、別のディスプレイやデバイスを立ち上げる手間がかかりません。ひとつのデバイスで、1日の活動のすべてに対応できます。Surface Duoでも同じような使い方ができるでしょう。ただSurface Duoは画面が小さいですから、生産性という点では、Surface Neoのほうが適しているかもしれませんね。
―― 来年(2020年)になったら、バーロウさんの生活のなかには、Surface Proも、Surface Laptopも不要になりそうですね(笑)。
Surface ProもSurface Laptopも持っているのですが、確かにそうなりそうですね(笑)。もちろん、Surface ProやSurface Laptopのフォームファクターが大好きだというユーザーもたくさんいますから、そうした人たちに満足してもらえる製品を選択肢として用意します。
Surfaceのチームは、これでSurfaceのラインアップのすべてがそろったとは思っていませんし、すべての人に満足してもらえるデバイスがそろったとも思っていません。ユーザーの利用方法はこれからも変化するでしょうし、それに合わせてSurfaceそのものや、Surfaceのオプションもまだまだ広がっていくでしょう。
これからもSurfaceのイノベーションは続きます。顧客を中心とした形で進化を続け、創造性を支援するデバイスとして提案し、これから訪れるモバイルクリエイティビティの時代において、Surfacが最適なデバイスとなることを目指します。
―― Surface Pro 7およびSurface Laptop 3は、日本でも10月23日に発売され、Surface Pro Xは2020年1月に発売されます。これらのデバイスはどんな人に使ってもらいたいですか。
Surface Pro 7とSurface Pro Xは、2in1としての特徴を生かたデバイスで、モバイル用途やフレキシブルに使いたいという人には最適です。軽量ですし、1日中使えるバッテリー寿命があります。
PhotoShopなどの演算能力が求められているアプリケーションを利用するユーザーにはSurface Pro 7がいいでしょうし、より軽量であることを求めたり、モバイルシーンでペンを利用したいという人にはSurface Pro Xがいいと思います。
さらに、Surface Laptop 3では今回、新たに15型液晶ディスプレイのモデルを用意しました。より大きな画面が欲しい人には、こちらを選んでもらいたいですね。膝に乗せて操作するという点でも、Surface Laptop 3は使いやすいものになっています。
―― 15型ディスプレイに対する要望はそんなに多かったのですか?
かなりありました。とくに15型ディスプレイに対する要望が多かったのが日本市場です。
今回、15型ディスプレイを搭載したSurfaceを用意したのは、日本市場の要望を反映したのが理由です。日本のユーザーは、薄さ・軽さとともに、大画面を求めています。それを実現したのが、今回のSurface Laptop 3です。
ファブリック仕上げではなく、メタルフィニッションが欲しいという声にも応えました。オーディオを重要するユーザーが多いことにも着目し、すべての製品にスタジオマイクを用意しています。日本のユーザーにとって、最適な製品を用意できたと思っています。
―― 一方で、Surfaceの新たなオプションとして、Surface Earbudsを2020年初頭に発売します。この狙いはなんですか。
Surface Earbudsは、音楽を聴く機能だけでなく、タッチコントロールによって様々な用途に使えるのが特徴です。Office 365と統合した使い方ができ、Surface EarbudsでPowerPointを操作するなど、プレゼンテーションでも効果を発揮します。
さらに、Surface Earbudsの2つのマイクが私の声を拾い上げて、それをAIが翻訳して、60カ国語で話すといった使い方も可能です。来年(2020年)は日本に来ても、通訳なしでプレゼンテーションができるかもしれませんよ(笑)。オーディオメーカーには考えられないような機能を持ったイヤホンを開発できたといえます。
―― 最後に、日本のユーザーにメッセージをお願いします。
日本のみなさんには、長年にわたってSurfaceを愛してくださっていることや、クリエイティブな仕事のためにSurfaceを選んでくださっていることに感謝しています。
たくさんのフィードバックもいただき、それが私たちのインスピレーションに火をつけ、結果、こうしたすばららしい製品を完成させ、よりよい製品をお届けすることにつながっています。本当にありがとうございます。
日本のユーザーの方々からはぜひ、Surfaceに対する要望をこれからもどんどんいただきたいですね。それがSurfaceをさらに進化させることにつながります。日本は大切な市場であり、日本におけるSurfaceの事業規模は過去最大になっています。今回の製品たちは、日本の企業でも家庭でも満足いただけるものになっています。ぜひ、新たなSurfaceに触れて、そのすばらしさを実感してください。