Samsung Electronicsは10月8日、半導体だけではなく、スマートフォンなど全製品を含む2019年第3四半期(7~9月期)の連結決算業績に関するガイダンス予想を発表した。それによると、売上高は前年同期比5.3%減の62兆ウォン前後、営業利益は同56%減の7兆7000億ウォン前後になるとしている。
半導体メモリバブルの恩恵を受けて過去最高の営業利益となった前年同期比では減収減益となっているが、前四半期比では売上高が同10.5%増、営業利益も同16.7%増と、第1四半期を底に、第2四半期以降は2四半期連続で増加傾向に転じている。
最近、半導体業界の各所で市場は底を打ったという話題がでてきたが、同社の業績からもそれが見えてきたといえるだろう。韓国メディアは、前四半期比でプラスとなっていることをポジティブ要因として伝えている。詳細な各事業別の業績概要については、10月末に正式に発表される決算概要の開示まで待つ必要があるが、半導体事業では、メモリの在庫整理が進んだほか、メモリ価格も下げ止まりつつあるため、売り上げ、利益ともに徐々にではあるが増加に転じるものと思われる。
なお、すべての半導体に関する市場統計に共通することだが、メモリバブルの最中であった2018年比で比較してしまうとどうしても大幅なマイナス成長となってしまうが、直近の状況の比較では、多くの企業がわずかとはいえ増加傾向になってきている点に注目すべきで、2020年に向けて穏やかな市場全体で回復傾向が続くことが期待される。