インテル株式会社は10月3日、インテルのAI(人工知能)ポリシーを紹介するラウンドテーブルを実施しました。

席上、米インテル コーポレーション アソシエイト・ゼネラル・カウンセル兼 グローバル・プライバシー・オフィサー ディビッド・A・ホフマン氏は「AIはすでに研究段階から社会実装へと向かっており、これは(氏がインテルに入社した)20年前のインターネットと同じような状況で、インターネットでのサイバーセキュリティが問題になった教訓を踏まえ、同じような間違いをAI実装で行わないようにする必要がある」と言います。

  • 米インテル コーポレーション アソシエイト・ゼネラル・カウンセル兼 グローバル・プライバシー・オフィサー ディビッド・A・ホフマン氏

「革新的なAI」、「信頼されるAI」、「包括的なAI」のインテルAIポリシー

日本政府はAI導入に対する方策として大規模かつ複雑な社会的課題への対処、経済成長の促進、国民の不安払拭、国際化促進という4つの主要目的を定めていますが、インテルでは革新的なAI、信頼できるAI、包括的なAIと3つの要素をポリシーとしています。

  • 日本政府のAI政策

  • インテルの3つのAIポリシー

「革新的なAI」に関しては、政府はAIに関する基礎研究やAIを使った社会課題解決に投資をするだけでなく、省庁にもAIを使えるようにする必要性を投資を行う事を説明。

また、AIを使う事によって大きく改善すると思われている分野として「医療AIによって医療費が削減されるだけでなく、人命も救われる」医療があると紹介。よく「AIが仕事を奪う」と言われますが、ここでのAIは、医師を減らすのではなく医師が患者に向かう時間を増やすためのものです。

  • 革新的なAI

「信頼されるAI」に関しては、AI学習に使われるデータセットで信頼性を重視し、個人のプライバシーを守り、堅牢性のあるセキュリティ、説明できる透明性と、国際標準をサポートするという5点を挙げました。

実例としては医療を挙げ、外部に生データを出せない領域でも、プライバシー保護機械学習(Preserving Privacy Machine Learning)を使えば、学習データとして使えることを紹介。このテクノロジは20年前ぐらいから知られ、最近になって現実的な実装が可能となっています。

  • 信頼できるAI

「包括的なAI」というのは、特定のAI実装を社会全体に役立たせるために、企業が責任ある態度で行動していることを証明するよう要求し、その実証のためのプロセスの必要性と、あわせてAIによって失われる職種への対策として、新しい雇用機会を創出を求めるものです。

現在高度なITを利用していない職種に向けて、政府がトレーニングを提供し、業務でAIが使えるような体制構築の必要性も語りました。ここでは、AIは産業構造を劇的に変える「破壊的イノベーション」であるため、失われる雇用のための安全策として、社会的なセーフティーネットの構築が重要だと言及しています。

  • 包括的なAI