イーソルは9月26日、自社のスケーラブルリアルタイムOS(RTOS)「eMCOS(エムコス)」をベースに仮想化機能を組み込んだ「eMCOS Hypervisor(仮称)」を開発したことを発表した。

eMCOSは、CPUコアの1つひとつにカーネルを配置し、それらをカーネルレベルの高速メッセージパッシングによって連携させるアーキテクチャを採用したRTOS。マルチコアSoC全体を制御することが可能なほか、信頼性の異なるアプリケーションを空間的・時間的に完全に分離しつつ、分離したアプリケーション同士を密に連携させることも可能といった特長を有している。

また、新機能となるeMCOS HypervisorはPOSIX互換であるeMCOS POSIXの拡張機能として実現されるため、これによりeMCOS POSIXのリアルタイムアプリケーションはそのままに、Linux/Androidを統合して制御することが可能になるという。そのため、カスタマはシステム内の関連機能を従来以上に統合を図ることができるようになり、LinuxやAndroidベースの既存プラットフォームを最小限の変更だけでeMCOS Hypervisor上で活用することができるようになるとのことで、同社では、eMCOSのスケーラビリティの新たな方向性であり、これにより高いリアルタイム性や安全性を確保しながらLinuxなど汎用OSも組み合わせたさらに柔軟なシステム構築が可能になると説明している。

なお、eMCOS Hypervisor(仮称)のリリースは2020年3月末を予定している。

  • eMCOS Hypervisor

    eMCOS Hypervisorのイメージ (提供:イーソル)