小さくても立体感あるサウンドが心地よい
BHS300は360度無指向性サウンドを特徴としてうたっていますが、ふわっとしたBGMっぽいサウンドではなく、しっかりとパンチの効いたオーディオらしい音を楽しませてくれるスピーカーです。
中高音域の見晴らしがとてもクリアで、ボーカルやピアノの音色が気持ちの良い透明感であふれています。歌ものの楽曲はボーカルが前にグンと前に力強く張り出してくる立体感が心地よく感じられました。
低音は重量感がありながら瞬発力にも恵まれていて、ロックやダンスミュージックのビートを軽やかに響かせます。オーケストラの壮大なスケールを活き活きと再現できるワイドな音場感も圧巻。「小さいのにやるな!」と、思わず頭(=天面)をなでてあげたくなります。
重心の低さ、あるいはボーカルの音像定位の鮮明さなどは兄貴分のBHS500の方が描写力が優れているところもありますが、音のバランスや描き出す雰囲気はとても良く似ています。上位機のエッセンスを削いでしまうことなく、巧みにコンパクト化を実現した弟分の誕生を歓迎したいと思います。
Wi-Fi接続は複数のアクセスポイントを登録しておけるので、友だちの家や親が暮らす実家に“出張”させて楽しめます。もし出先にWi-Fi環境がなくても、電源さえ確保できればBluetoothや外部音声入力を使う手もあります。外部音声入力はBluetooth機能を持たないポータブルCD/MDプレーヤーやカセットテープレコーダーをつなげられるので、BHS300が1台あれば広い意味で「スマートな使い方」ができそうです。
以上のことを踏まえると、老舗オーディオブランドのボーズからお手ごろ価格で強力なスマートスピーカーが登場したと言えるのではないでしょうか。「初めて購入するスマートスピーカー」としてもおすすめです。