最近よく「e-BIKE」という言葉を聞きます。これは、スポーツ系自転車、とくにクロスバイクやマウンテンバイクなどに電動アシスト機能を搭載した製品のこと。北米などを中心に人気が広がり、最近は日本でも大きな展示会が開かれるほど注目度が高くなってきました。

このe-BIKE、多くのメーカーがシマノやボッシュなどのアシストユニットを導入しているのですが、ユニットからすべて自社開発している国内メーカーもあります。その1社がパナソニックです。

そんなパナソニックがe-BIKEの魅力を発信するため、長野県白馬にe-BIKEをレンタルして体験できるコースを監修しました。街乗り自転車(通称ママチャリ)しか乗らない筆者は「スポーツサイクルなのにアシスト機能をつける意味はなんなのか?」と疑問だったのですが、これはe-BIKEの魅力を知るためのよいチャンスかも!と、さっそく体験してきました。

  • パナソニックのe-MTB(電動アシストマウンテンバイク)最上位機種「XM-D2」。角度によって青にも紫にもみえる特殊な偏光カラーを採用。街中でも乗り回したいスタイリッシュさです
  • パナソニックのe-MTB(電動アシストマウンテンバイク)最上位機種「XM-D2」。角度によって青にも紫にもみえる特殊な偏光カラーを採用。街中でも乗り回したいスタイリッシュさです

初めてのマウンテンバイクコースはジェットコースターより怖かった!

おじゃましたのは、長野県の白馬岩岳マウンテン リゾートにある「白馬岩岳 MTB PARK」。ここはマウンテンバイクの聖地ともいわれる場所で、日本全国からマウンテンバイク乗りが集う人気スポットです。うれしいのは自転車と一緒に山頂まで登れるゴンドラが運行していること。つまり、上り坂の苦しさを味わうことなく、雄大な景色のダウンヒルを楽しめるのです。

  • 白馬岩岳マウンテン リゾートのゴンドラは、自転車を積むことも可能です。一日券やダウンヒルコース用の片道回数券などもあるので、降りてはゴンドラに乗り、何度もダウンヒルを楽しめます

体験したパナソニックのレンタルe-MTB(電動アシストマウンテンバイク)は、ゴンドラを下りてすぐの場所にレンタルスペースを用意。手ぶらでゴンドラに乗って気軽にe-MTBを体験できます。

ただし、このダウンヒルコースは比較的初心者向けの簡単なコースでも、7km弱あるロングコース。マウンテンバイクを乗ったことがない人や、マウンテンバイクは街でしか乗ったことない人、マウンテンバイクは好きでもe-BIKEが初めてという人が、いきなり挑戦するには不安な長さです。そこで登場するのが、今回紹介するパナソニック監修の体験コースなのです。

  • 爽快な下りだけを楽しめる白馬岩岳 MTB PARKをゴンドラから見下ろしたところ。初心者用コースから上級者用の激しいコースまで。もちろんパナソニック以外の自転車も持ち込めます

  • ゴンドラから降りてすぐのe-MTBレンタルスペース。レンタル料はコース利用料込みで1時間2,000円です

パナソニックのe-BIKEといえば、「Xシリーズ」と呼ばれる本格派マウンテンバイク。現在は「XM1」「XM2」そして、2019年3月発売の最上位機種「XM-D2」という3モデルがあります。

山頂で借りられるのはXM1とXM2の2種類。どちらもフロントサスペンションタイプのマウンテンバイクで、大きな違いはXM1が外装10段のギアを搭載しているのに対し、XM2は内装2段、外装10段の合計20段のギアがあります。初心者としてはどのモデルを借りるか悩むところですが、とりあえずレンタル料金が同じなら高いモデルを借りるか! という単純な考えでXM2を借りて乗ることにしました。

  • 山頂でレンタルできるのは、フロントサスペンションを搭載したe-MTBの「XM1」(写真右)と「XM2」(写真左)。ギア以外にも、XM2のほうがバッテリースタミナ性能が高いなどの細かな違いがあります。希望小売価格(税別)はXM1が330,000円。XM2が380,000円

  • お借りしたXM2は内装2段変速。左手の電子シフトスイッチで内装ギアを切り替え。右手のレバーで外装10段のギアを切り替えます。マウンテンバイク初心者の筆者はギアの切り替え方法さえ最初はわかりませんでしたが、試乗前にスタッフがていねいに教えてくれるので心配ありません

e-MTBを借りたら、さっそく試乗です。このコースは休憩しなければ片道10分もかからない短いコース。とはいえ、途中で小さなアップダウンがあったり、終盤に急な坂が出現したりと、なかなか起伏に富んでいます。

文章で書くと簡単そうですが……マウンテンバイクのコース初心者の筆者にとっては非常に怖い! 普段の生活は街乗り自転車なので、今回の試乗も「多少デコボコ道があっても所詮は自転車だし」などと思っていましたが、サスペンションで衝撃の多くが吸収されているのにも関わらず転びそうな恐ろしさが。マウンテンバイクを楽しむ人は、このスリルを楽しむんでしょうね。

  • ノンストップなら10分ほどで往復できる、パナソニックが監修した体験コース。短いコースながらデコボコ道あり、急坂あり、30cm近くジャンプできるようなアップダウンあり、景色の良いスポットありの、起伏に富んだコースでした。写真は撮影する余裕のあったなだらかな田舎道