NECパーソナルコンピュータは8月5日、NEC初の本格的パーソナルコンピューター「PC-8001」登場から40年を記念した「PC-8001誕生40周年記者会見」を開催。13.3型モバイルノートPC「LAVIE Pro Mobile」の特別モデルとして、PC-8001をイメージした特別色を採用した「LAVIE Pro Mobile PM750/NAA」を発表した。価格はオープンプライスで、8月8日から店頭販売が開始される。

  • LAVIE Pro Mobile PM750/NAA

また、40周年キャンペーンの記念品として、PC-8001のデザインを細部まで再現したミニチュア「PasocomMini PC-8001」を作成(製作元はハル研究所)。こちらは非売品だが、LAVIEブランドのPC購入者を対象にしたキャンペーン景品として提供されるほか、PasocomMini PC-8001を添付して、5年安心保証などの特典も付けたプレミアムボックス入りの500台限定モデル「PC 40th Anniversary Edition Premium Package」も用意される。8月5日14時からすでに予約販売が開始されており、予約数を達成しないうちは確実にPasocomMini PC-8001を入手可能だ。

  • PasocomMini PC-8001(非売品)

PC-8001は、1979年9月より販売が開始されたNEC初の8ビットCPU搭載パーソナルコンピューター。PC-8001はキーボードを備え、テレビに接続すればすぐに使える完成品として出荷されたという点で、日本国内のパーソナルコンピューターの歴史において画期的な製品だった。

  • こちらはPC-8001の実機。記憶媒体としてはカセットテープが主に使用されていた

  • 1979年9月にPC-8001が発売されたあと、1981年に「PC-6001」、1982年10月に「PC-9801」が発売。NECはPC業界の圧倒的な王者として君臨することになる

40周年記念限定プレミアムモデルのLAVIE Pro Mobile、最大の特徴はやはりカラー。キーボードはPC-8001と同様のツートンカラーが採用されており、最新きょう体ながらレトロPCのような雰囲気を醸し出している。

  • 上・左右部分と中央部分のキーで異なるカラーを採用。左上には「PC 40th Anniversary Edition」の文字が印字されている

  • LAVIE Pro Mobileには、PC-8001の銘板をイメージしたステッカーが同梱されている。PC-8001を踏襲するなら右上に貼りたいところだが、大事に保存しておきたいとも悩まされるレアなステッカーだ

PC-8001のイメージを再現したのはカラーやステッカーだけではない。最大の“オッサンホイホイ”は起動時に表示される「NEC復刻ロゴ」。1979年当時の旧NECロゴが表示されるのだから、当時のパソコンキッズたちにはたまらない演出だ。

  • NECパーソナルコンピュータ 代表取締役執行役員社長 デビット・ベネット氏。現在のNECロゴをすっかり見慣れているが、旧ロゴと見比べてみると、後者には黒地に映える力強さがある……というのはひいき目だろうか?

さて、ある意味で40周年記念限定プレミアムモデルのLAVIE Pro Mobileより注目を集めているのが、ミニチュア版のPasocomMini PC-8001。

模型としての再現度もさることながら、USBキーボードと、HDMI端子搭載ディスプレイやテレビを接続すれば、当時のBASICプログラムを動作させたり、「平安京エイリアン」をはじめとした16本のレトロゲームをプレイできる。これまで「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピューター」などのミニレトロ筐体を購入してきた方は、ぜひとも入手したいコレクションアイテムだ。

  • PC-8001の実機を忠実に再現したPasocomMini PC-8001。発表会場に展示されていた本物の実機は変色していたので、色はこちらが正しいことになる

PasocomMini PC-8001を入手する方法はふたつ。2019年8月6日から11月4日の間に、NECのLAVIEシリーズのパソコンを購入したユーザーから抽選で2,000名に当たるキャンペーンに応募するか、PasocomMini PC-8001が同梱される40周年記念限定プレミアムモデルのLAVIE Pro Mobileプレミアムパッケージを予約購入するかのいずれかだ。

しかし、PasocomMini PC-8001はハル研究所が製作しており、同社自身が販売する可能性があるようだ。NECパーソナルコンピュータが発表会で配布した資料には「HALから販売される予定は:HALにお問い合わせください」と記載されている。

もし「PasocomMini MZ-80C」と同様にハル研究所が販売するのであれば、比較的安価に購入できる可能性がある。現時点では不確実な第3の入手方法だが、PasocomMiniの公式Twitterアカウント(@PasocomMini)をフォローして、情報を見逃さないようにしよう。

  • PasocomMini PC-8001には、シングルボードコンピューター「Raspberry Pi Zero」または「Raspberry Pi Zero W」のいずれかが内蔵されているようだ

  • 「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピューター」よりも、さらにレトロなゲームを楽しめる

  • PasocomMini PC-8001には、「平安京エイリアン」をはじめとした16本のゲームが同梱されている。ゲームは追加でダウンロード提供される予定だ

ゲーミングPCに参入!?

最後に「One more thing…」としてサプライズ発表されたのが、「Project Engine(炎神)」というコードネームで開発されているゲーミングPC。プロゲーマーなどの意見を採り入れ、鋭意開発中だ。近日発表予定とのことなので、こちらにも期待したい。

  • NECホームエレクトロニクスより販売された家庭用ゲーム機「PCエンジン」を彷彿とされる「Project Engine(炎神)」のイメージグラフィック。NECのゲーミングPCにどのようなケースが採用されるのか要注目だ

今回の「PC-8001誕生40周年記者会見」で繰り返し語られたのは「NECがPC業界をリードしてきた」という自負。直近のPCでも「世界初」を謳う新機能を搭載してきたという。ゲーミングPC「Project Engine(炎神)」だけでなく、今後発表されるNEC製PCにも「世界初」の機能が搭載されていくはずだ。パーソナルコンピューター40年の歴史で蓄積してきた知見で、NECが今後どのような進化をもたらしてくれるのか、楽しみに待ちたい。