長梅雨が空けると一転、猛暑の続く日本列島ですが、ただ暑さを訴えるのではなく前向きに対処したいものです。となれば、室内の温度を測り、適正レベルになるまでなんらかの方法でクールダウンするしかありません。その測定にiPhoneを使えれば、温度調節のめやすにしやすいので便利ですよね。

しかし、iPhoneに気温を測るセンサーは搭載されていません。『天気』アプリに気温を表示する機能はあるものの、それは位置情報をもとに気象データ会社から提供を受けた気温情報を表示しているに過ぎません。インターネット接続がなければ表示されない、"iPhoneがある広域の気温"というのが実情です。気温を測るセンサーがないのですから、サードパーティー製アプリも事情は変わりません。

とはいえ、屋外の気温に関してはある程度信頼できます。気象庁は全国150カ所の気象官署(気象台や測候所)で気温や降水量などの観測を行っているほか、地域気象観測システム「アメダス」では全国約840カ所、約21キロメートル四方に1カ所の割合で気温や風向・風速などを測定し、情報として提供しています。屋外と屋内では気温が異なるのは当然としても、傾向を把握できることは確かです。

iPhoneに気温を測るセンサーが搭載されていない理由ですが、iPhoneの内部では演算や描画、通信などの処理を行うときにチップ類がかなり発熱するため、その熱を外装に伝え外気を利用し放熱しています。iPhone内部の温度を測定することは可能ですが(かつてはそのような機能を持つアプリが存在しました)、気温を測定する場合は外装にセンサーを取り付けねばならず、かといって外装は熱を帯びるため正確な気温を測ることは困難です。着脱可能な周辺機器を利用するならともかく、難しいところでしょう。

  • iPhoneで室内の温度を測れますか?

    位置情報をもとに気象データ会社から提供を受けた気温情報は表示できますが……