米Microsoftが米国のMicrosoft Storeで「Windows 1.11」アプリの配信を開始した。7月4日にNetflixが配信を開始した話題のSFドラマ「ストレンジャー・シングス (シーズン3)」のコラボ企画の一環。ドラマで描かれている1985年の世界をPCで追体験できる。

7月に入ってMicrosoftが突然TwitterやInstagramで「新しいWindows 1.0発表」という奇妙な投稿を行って話題になっていた。「Windows 1.0のオープンソース化か?」という期待の声も上がったが、画面が歪んでちらつくSFっぽい演出に加えてNetflixのロゴも確認されたことからストレンジャー・シングスとのコラボレーションが有力視されていた。

  • 新しいWindows 1.0の登場を予告するツイート

    「新しいWindows 1.0 with MS-DOSを発表」という7月1日の謎のツィート

ストレンジャー・シングスは1980年代の米国の街を舞台にしたSFドラマで、2016年にシーズン1が配信されると、秋のハロウィーンには多くのティーンエイジャーが主要登場人物の子供達に扮するほど大ヒットし、Netflixオリジナル作品の評価を高めた。作風にはスティーブン・スピルバーグ作品やスティーブン・キング作品などの影響が見られ、物語の構造から演出、小道具に至るまで、あらゆるところに盛り込まれた80年代カルチャーへのオマージュも特徴の1つとなっている。シーズン1のストーリーは1983年という設定で、シーズン2 (2017年配信開始)は1年後、4日に配信開始になったばかりのシーズン3はさらに1年後の1985年を舞台としている。そして1985年はMicrosoftが同社初のGUIを採用したOS「Windows 1.0 (バージョン1.01)」を世に送り出した年だ。

Windows 1.xはバージョン1.04までで、Windows 1.1xは実際には存在していない (1987年にWindows 2.0が登場)。架空の新しいWindows 1.xだから「Windows 1.11」と、細部までしっかり作り込まれている。ただし、Windows 1.11はOSとしては機能しない。Windows 1.0を舞台にゲームやパズルを通じてストレンジャー・シングスの世界を体験できるWindows 10アプリである。Windows 1.0のオープンソース化を期待していた人達からは落胆の声も上がっているが、80年代のPCカルチャーにたくさんの人達が触れられるアプリとして面白い。

  • Windows 1.11

    Windows 1.11アプリの起動画面

  • Windows 1.11で謎解き

    ミステリアスな雰囲気ただようWindows 1.11

ストレンジャー・シングスのコラボレーションはWindows 1.11アプリだけではない。この夏に「Camp Know Where」という13歳以上を対象としたストレンジャー・シングスをテーマとしたSTEMワークショップを米国、カナダ、英国、オーストラリアのMicrosoft Storeで行う。