ソニーから、新しい完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」が発表されました。音質を重視したアクティブノイズキャンセリング機能を搭載する、完全ワイヤレスイヤホンのフラグシップです。7月13日の発売、価格はオープン、推定市場価格(税別)は26,000円前後が見込まれます。カラーバリエーションはブラックとプラチナシルバーの2色。

  • WF-1000XM3

    シックなデザインも魅力的なフラグシップ、1000Xシリーズの新しい完全ワイヤレスイヤホンが誕生しました

WF-1000XM3は、2018年秋に発売されたオーバーヘッドタイプの「WH-1000XM3」と同じ、消音性能と音質にもこだわるノイズキャンセリング機能を載せた完全ワイヤレスイヤホンです。

ソニー史上・最高をうたうノイズキャンセリング性能は、独自に開発したワイヤレスオーディオ専用のプロセッサー「QN1e」が実現しています。加えて、集音性能を高めるためのハイブリッド型アクティブノイズキャンセリングシステムを採用。

本体の内側と外側に高音質マイクを内蔵して、環境音を拾いながら、リアルタイムにノイズ成分だけを打ち消します。ドライバーユニットとマイクの配置にも気を配り、リスニング時の音響特性とマイクの集音性能のバランスも最適化しています。

  • WF-1000XM3
  • WF-1000XM3
  • カラーバリエーションはブラックとプラチナシルバーの2色

本体の質量は約8.5g。「エルゴノミック・トライホールド構造」という形状は、耳に装着した状態でイヤーフィンを使わずに3点で支持し、高い遮音性と安定した装着感を実現します。耳の穴に接する部分には、摩擦の高いラバー素材を採用。外れにくい構造としました。アクティブノイズキャンセリング機能に加えて、装着時のパッシブな遮音性能を高めたことによって、特に中高域のノイズ成分を高度に抑制します。

音の中核は、6mm口径の高感度ダイナミック型ドライバーユニットです。磁気回路を外磁型として、コンパクトサイズのドライバーながら高い駆動力を持たせています。振動板の形状も最適化しました。

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    6mm口径のドライバーを搭載。ノイズを集音するマイクをハウジングの内外両側に向けて配置しています

BluetoothのオーディオコーデックはAACとSBCに対応。ワイヤレスによるオーディオ再生時に、圧縮された音源を最大96kHz/24bitのハイレゾ相当の高音質にアップコンバートする「DSEE HX」が。ソニーの完全ワイヤレスイヤホンに初めて採用されました。ドライバーユニットは最大40kHzの再生周波数帯域をカバーしています。

QN1eプロセッサーには、DNCソフトウェアエンジンのほか、24bitオーディオ信号処理をベースにして低ひずみ・ローレイテンシを実現したDACとアンプも内蔵しています。この実力も、音楽再生の高音質化に大きく貢献しているそうです。

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Bluetooth接続の安定性を高めるため、アンテナ設計を強化しています。音楽プレーヤーから伝送されるステレオ音声信号を、イヤホンの左右両方で同時に受信。それぞれ左右側の音声のみを再生する方式としたことで、完全ワイヤレスイヤホンにおける左右イヤホン間の接続を不要としました。BluetoothのペアリングはNFC対応です。

この新しい技術によって、ワイヤレス接続の音切れやノイズの混入を大幅に減らしているそうです。また、動画再生時、リップシンクの遅延によるストレスも低減。ハンズフリー通話は、音声がL/Rから同時に聞こえてくるステレオ通話機能に対応します。

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    ノズルをやや傾けて配置。フィット感を高めています

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    トリプルコンフォートイヤーピース(手前側)を3サイズ、ハイブリットイヤーピース(奥)を4サイズ同梱しています

本体の側面パネルには、タッチセンサー式のリモコンを内蔵しています。タップやホールド操作によって、ノイズキャンセリングやアンビエントモードの切り替え、ボイスアシスタントの呼び出しが可能です。

WF-1000XM3を両耳に装着した状態で、一時的に片側を外すと自動で音楽再生を一時停止、装着すると自動で再開する「装着検出」機能を実現しました。片側イヤホンのみでも音楽再生や通話が可能です。リモコンのボタン操作の割り当ては、モバイルアプリ「Sony Headphones Connect」でカスタマイズできます。

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    Sony Headphones Connectアプリの画面。バッテリー残量と接続されているコーデックなどが表示されます

外音取り込み機能「アンビエントモード」は、アプリから取り込みレベルを20段階で調整できます。また、本体L側のタッチセンサーリモコンを長押ししている間、外の音をすばやく取り込めるクイックアテンション機能を、ソニーのイヤホンで初めて搭載しました。

バッテリーライフもロングラン性能。約1.5時間の充電により、イヤホン本体で最大6時間の連続音楽再生が可能です。充電ケースの18時間を合わせると、合計24時間の連続音楽再生に対応しています。10分間の充電で、約90分のリスニングが楽しめる急速充電機能も実現しました。充電ケーブルにはUSB Type-Cを採用しています。

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  • 充電ケースは大きすぎない手のひらに収まるサイズ感。イヤホン本体で約6時間、充電ケースでプラス3回のフル充電ができるので、合計約24時間のバッテリーライフを実現しています

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充電ケースはコンパクトなサイズ感。とても小さいというわけではありませんが、バッグにいれても邪魔に感じない、ほどよいサイズ感に収めています。イヤホンをマグネットで正しい位置に吸着させます。イヤーピースは硬さが異なる2種類のシリコン素材のパーツを組み合わせたハイブリッドイヤーピースが4サイズ、トリプルコンフォートイヤーピースが3サイズ、付属しています。

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    ケースの充電にはUSB Type-Cケーブルを使います

WF-1000XM3の音質をいち早くチェック!

1000XシリーズのDNAを受け継ぐ、上品できめ細やかなサウンドが特徴的です。ノイズキャンセリングは、前機種のWF-1000Xよりも明らかに高い消音効果が実感できます。耳をふさぐようなプレッシャーがなく、音楽再生のバランスを崩さず自然に、ノイズだけを意識の外へ追いやってくれます。

中高域のつながりがとても滑らかなので、ボーカルの楽曲がとても心地よく聴けます。ノイズキャンセリング機能をオンにしても、広々とした見晴らしの良い音場感が変わらないところは、さすがフラグシップ、1000Xシリーズの最新モデルです。EDMの空間表現の鮮やかさと、細かな効果音の粒立ちがとても小気味良く感じられました。

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    WH-1000XM3のサウンドを聴いてみました

低音は量感やインパクトをことさらに主張するタイプではなく、音楽の足場をどっしりと固めるような安定感と、クリアな見晴らしで勝負するイヤホンです。全体に音のつながりが良いので、どんなジャンルの音楽も長時間疲れることなく聴き続けられると思います。

ヘッドホンのWH-1000XM3にも搭載されていた、ノイズキャンセリングと外音取り込みのモードをユーザーの使用シーンに合わせて自動で切り替える「アダプティブサウンドコントロール」、WF-1000XM3にも採用されました。いままでは、例えば使用シーンが「止まっている」から「歩いている」に切り替わるときに「ポーン」と鳴ってしまうアラートが、アプリの設定から消せるようになったみたいです。

  • WF-1000XM3

    通知音と音声ガイダンスをオフにできる機能などがアプリに搭載されています

一つ残念なところは、本体が防水・防滴性能をうたっていないことです。少しの雨や汗に濡れても故障する心配は少ないと思いますが、汗をかくスポーツシーンで長時間使い続けることはあまりおすすめできなそうです。屋外で雨が激しく降り出したときには、充電ケースに戻してバッグにしまったほうがよいかもしれません。

WF-1000XM3が搭載する多彩な機能の効果と操作性については、短い時間のハンドリングでは試せなかったため、また機会を改めてレビューしたいと思います。