半導体製造装置大手のApplied Materials(AMAT)は7月1日(米国時間)、半導体製造装置メーカーであるKOKUSAI ELECTRICの全発行済株式を、投資会社KKRから22億ドルの現金買付けにて買い取ることで合意したと発表した。

KOKUSAIは、前身の日立国際電気を投資会社KKRが2017年に株式公開買い付け(TOB)を行った結果、2018年6月に誕生した半導体製造装置専業メーカー。縦型拡散・CVD装置分野で強みを有しており、近年はメモリバブルを背景に業績を伸ばしていた。

AMATでは、KOKUSAIの有する一度に複数のウェハを処理することで高い生産効率を実現するバッチ式プロセス装置が、AMATの提供するウェハ一枚ごとに処理することで、高品質を実現する枚葉式プロセス装置のラインアップを補完するものとしているほか、KOKUSAIの有する日本アジアの製造施設や社員の存在がシナジーを発揮できると判断したことが今回の買収に至った背景と説明している。

なおAMATは、今回の買収にかかる資金を手許の現預金と金融機関からの借り入れを併用する形で調達する予定としているほか、買収完了後は、借入金の返済を優先的に行う一方、配当金や自社株買い戻しを通じた株主への現金還元に対する長期的コミットメントも維持する予定だとしている。また、買収後、KOKUSAIは、AMATのビジネスユニットの1つとして業務を継続する予定で、引き続き東京に本拠を構えるほか、富山県・富山市ならびに韓国・天安に有する技術・製造センターも維持される見通しだという。