東芝の4K有機ELテレビ「REGZA Pro」はチューニングに妙、プロの映像を誰もが楽しめる

東芝映像ソリューションは6月13日、4K有機ELテレビ「REGZA Pro」の新モデル「X930」および「X830」を発表しました。それぞれ65V型と55V型の2サイズを用意します。2モデルとも画質については遜色ありません。どちらも映像のプロ(映画監督や映像クリエイターなど)が、編集作業で使えるクオリティを目指しています。同時に一般ユーザーが自宅で気軽に、プロが作り込んだ映像を楽しめる工夫も施してありました。

2019年の4K有機ELレグザ

2モデルとも、新開発の映像処理エンジン「レグザエンジン Professional」を搭載。パネルも2019年仕様の有機ELを採用しました。有機ELパネルのガンマ特性、輝度特性に合わせたチューニングを施し、コントラスト性能や階調性能が前モデルに比べて大幅にアップしています。

新開発の「レグザエンジン Professional」を内蔵します

HDR規格として、HDR 10、HLG、Dolby Visionのほか、HDR 10＋をサポート。映像のプロが映像制作や映像解析に活用できるよう、「プロユース映像分析・設定機能」を取り入れました。マニュアルで色空間を設定したり、輝度推移やヒストグラムといった細かい映像情報をリアルタイムに表示したりできます。

2019年はHDR 10＋までサポートするテレビが増えました

輝度分布などをリアルタイムで表示可能。映像の解析にも役立ちます

一般ユーザーでも、プロが表現する映像を自宅のテレビで楽しめるよう、「リビングAIピクチャー」を用意しました。一般的なテレビでは「オート」にあたる映像の表示モードで、新搭載の色温度センサーが視聴環境の照度や照明色を検出し、ホワイトバランスや輝度を適切に自動調整します。映画やスポーツなど、コンテンツのジャンルもAIが分析するので、ユーザーは映像モードを切り替える必要がありません。

リビングAIモード。出荷時からリビングAIモードになっているので、特に映像モードの切り替えを意識する必要はありません。もちろん、こだわり派のためにスポーツやアニメの専用モードも備えています

地上デジタル放送などのSDR映像も、「AI機械学習HDR復元」技術によってHDRクオリティに再現。「美肌リアライザーHDR」によって、くすみがちな肌の陰影も滑らかに表現するといいます。

SDR映像も、HDRクオリティで再現

肌の陰影まで美しく表現可能です

X930シリーズでは、通常のスピーカーにパッシブラジエーターを搭載した「有機ELレグザオーディオシステムPRO」を採用。X830では、65V型と55V型でスピーカーが異なります。65V型は新開発ダブルウーファーとシルクドームツィーターにバスレフ型BOXを合わせたスピーカーユニット、55V型は新開発ウーファーとシルクドームツィーターにバスレフ型BOXを合わせたスピーカーユニットとなっています。

X930に搭載された「有機ELレグザオーディオシステムPRO」

X830シリーズのオーディオシステム。写真手前が65V型、写真奥が55V型です

このほかX930シリーズのみの特徴として、タイムシフト録画に対応。別売のUSB HDD(タイムシフトマシン対応)を取り付ければ、地上デジタル放送の番組を最大6チャンネルまで自動で録画しておけます。別売のレグザ純正USB HDD「THD-500D2」の場合、合計で約80時間分の録画が可能。たとえばおもしろそうな番組を偶然見つけたとき、リモコンの「始めにジャンプ」ボタンを押すだけで、番組を最初から視聴できます。学校や職場で「昨日のあの番組」の話題についていけなくても、自宅に帰ってすぐチェックできるのは便利そうです。

2モデル共通でチューナーは、地上デジタル/BS・110度CSデジタル×3基、BS 4K/CS 4K×2基を内蔵。Wi-Fi対応で、DAZNやNetflix、YouTubeといった動画配信サービスも視聴できます……が、残念ながらAmazonプライム・ビデオは非対応。試聴するには、Amazonの「Fire TV Stick」といった外付けのデバイスが必要です。

リモコンには、「AbemaTV」「NETFLIX」「hulu」「U-NEXT」「YouTube」「dTV」の専用ボタンを備えます

メディア向けに開催された説明会では、映画『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』をDolby Vision、およびHDR 10(あざやかモード)で試聴できました。Dolby Visionのほうは衣装や顔にやや赤みがあり、より「質感」がしっとりと表現されています。

最近はNetflixなどで作品を視聴するとき、HDR 10かDolby Visionで好きなほうを選べるものも増えてきてますので、好きな作品をHDR 10とDolby Visionで2回見るのもアリかもしれません。

Dolby Visionには、明るいところ向けの「Bright」と「Dark」モードがあります。「あざやか」は、東芝映像ソリューションが若干の映像補正をかけた独自モードとなっています

X930シリーズは7月中旬、X830シリーズは6月下旬に発売します。2モデルとも価格はオープンで、推定市場価格はX930の65V型が55万円前後(税別)、55V型が35万円前後(税別)。X830の65V型が49万円前後(税別)、55V型が29万円前後(税別)となる見込みです。

HDMIは7系統。「プロ向け」をうたうだけあります

お得なキャンペーンも

東芝映像ソリューションは同時に、「見逃せない、見逃さないタイムシフトマシンキャッシュバックキャンペーン」も実施。対象の4K有機ELレグザ、または4K液晶レグザと合わせて、レグザBDレコーダーかレグザ純正USB HDDを購入すると、最大で3万円をキャッシュバックします。

対象製品の購入期間は2019年5月22日から9月30日まで、応募期間は2019年6月28日から10月21日まで。対象となるテレビ製品は、今回発表された「X930シリーズ」「X830シリーズ」のほか、「Z730Xシリーズ」「RZ630シリーズ」「M530Xシリーズ」。対象となるレグザBDレコーダーは「DBR-M4008」「DBR-M3009」、レグザ純正USB HDDは「THD-250D2」「THD-500D2」「THD-200V2」。キャッシュバック金額は以下の通り。

X930シリーズ : BDレコーダー購入で3万円、USB HDD購入で2万円
X830シリーズ : BDレコーダー購入で3万円
Z730Xシリーズ : BDレコーダー購入で2万円、USB HDD購入で1万円
RZ630シリーズ : BDレコーダー購入で2万円
M530Xシリーズ : BDレコーダー購入で1万5,000円