「元気ですか?」とEcho Spotに聞いてみると、Echo Spotは「は~い。元気です!元気ですか?調子が悪くないなら、よかったぁ」と、少し語尾を上げるなど、“演技”を加えて返してきます。

一方、Nest Hubの場合は「はい、おかげさまで今日もゼッコウチョウです」と返事は手短に。ゼッコウチョウの日本語は少し機械語ふうになまっていました。

特筆すべきは、Echo Spotには「こちらに元気ですか?」と尋ねてきて、そのまま次の会話を待機してくれる「会話継続モード」があることです。Nest Hubの「続けて会話」機能は現在“英語のみ”提供されており、日本語でNest Hubとウィットに富んだ会話の駆け引きが楽しめるようになるのは、もう少し先のタイミングになりそうです。

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    AIアシスタントとの会話はEcho Spotの方が最近面白い応答を返してくるので楽しめています。Googleアシスタントはまだややお堅い印象

Amazonのスマートディスプレイ「Echo Spot」に「元気ですか?」と尋ねると、「は~い、元気です!」と、親しみという言葉を履き違えたような、奇妙な距離感で近づいてくる感じでした ※音が出ます

「Nest Hub」に「元気ですか?」と尋ねると、「今日もあなたとお話して元気をもらいました」。ちょっと気を利かせた返事ですが、どことなく硬さも感じられます ※音が出ます

Voice Matchはぜひ使おう

登録したユーザーの声を個別に認識してくれる「Voice Match」は精度が高く安定しています。ユーザーごとに登録したカレンダーのスケジュールを教えてくれたり、音楽サービスの使用履歴に基づいておすすめの楽曲を再生してくれる機能が便利なので、ぜひ使ってみることをおすすめします。

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    Voice Matchを登録するとユーザーの声を認識して、ユーザーごとに必要な情報を知らせてくれます。こんな便利な機能を使わない手はありません

Voice Match機能でユーザーの声を登録すると、その人が話しかけた時だけにアカウントに関連する情報が表示されます。逆に登録していない声の人が話しかけると、情報は表示されません ※音が出ます

YouTubeが声だけで起動

スマートディスプレイであるNest Hubの大きな魅力のひとつは、YouTube動画が快適に見られることです。

AmazonのEcho Show、LINEのClova DeskともにYouTube動画の再生には対応していますが、これらは先に内蔵ブラウザを立ち上げてから、見たいYouTube動画を画面タッチで検索・選択しなければならないので、「スマホで見た方が速いだろ」と思ってしまいます。

しかし、Nest Hubの場合は「動画を再生して」とか、「かわいい猫の動画を再生して」といった感じで音声コマンドを話しかけると、YouTube前提で検索がスタートします。

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    YouTubeの視聴が簡単にできるところもNest Hubの大きな魅力

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    表示された動画一覧からの選択操作は画面タッチになるところなど、もっと使い勝手は良くできそう

ただ、やはり検索にヒットした動画一覧からの選択は、例えば“リストの3番目”と音声操作で指定ができないため、パネルをタッチするしかありません。この辺の上手な使いこなし方については筆者自身、もう少し使い込んで研究してみたいと思います。

動画が見やすいディスプレイ

Nest Hubは画面の視野角が広く、光の映り込みも少ないので動画や写真が見やすく快適です。四角いディスプレイは機械的で無愛想というイメージがありますが、円形ディスプレイのEcho Spotは、動画を再生すると上下に黒帯が入ったり、写真はトリミング表示が前提になったりするので、やはり不便に感じることがあります。

いま世の中にある映像コンテンツとのマッチングを考えて実用性を優先するならば、やはり16対9の長方形のディスプレイがベストなのかもしれません。

YouTube再生については好相性なNest Hubですが、NetflixやAmazonプライム・ビデオなど、他にも人気の動画サービスも見られるようになると、ベッドサイドやプライベートルームなど、活躍の場面はさらに広がりそうです。また1時間程度で構わないので、連続して動画が見られる容量のバッテリーを内蔵した防水仕様のモデルが出てくれば、「お風呂テレビ」としても人気を集めそうです。

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    再生中のコンテンツのボリューム操作などはGoogle Homeアプリから行います

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    YouTube Musicで配信されている音楽コンテンツも音声による検索操作・再生に対応しています

心地よくBGM的に楽しめるサウンド

Nest HubのサウンドはGoogle Homeのように中低域がこんもりとせず、Google Home miniよりも低音がしっかりと出せて、安定感があります。

音楽が心地よく室内に馴染むように、音質と音の指向性のバランスをチューニングしている印象を受けました。筐体内部にはフルレンジスピーカーを1基、おそらく下向きに配置して、本体の背面側にだけでなくディスプレイの下から前面にも音が抜けるようにスリットを設けているのだと思います。

より集中してじっくりと音楽を聴き込みたい場合は、Homeアプリのイコライザーから低音と高音のバランスを7段階からカスタマイズできるので、合わせて使うとよいでしょう。もしもNest Hubのサウンドでは物足りないと感じるのであれば、Chromecast built-inやWorks with Googleアシスタントに対応するオーディオ機器を用意したいところです。

「音楽を再生して」という音声コマンドに対応する、デフォルトの音楽配信サービスは、YouTube Musicのほか、ユーザーのGoogleアシスタント設定から、Google Play Music、Spotifyにうたパス、AWAなどが選べます。ちなみにNest Hubを購入すると、YouTube Musicを含むYouTube Premiumが3ヶ月無料で試せます。

再生中の音楽は、曲送りや音量のアップダウンを音声コマンドで、または本体の画面とボリュームキーから操作できます。音楽をしっかりと聴きたい場合は、スマホを手もとに置いて、HomeアプリやYouTube Musicなどの音楽アプリから操作した方が、選曲やイコライザーが素速く設定できるのでベターです。