Ryzen 5 2600XにGeForce RTX 2060の組み合わせならば、今出ているゲームのほとんどは最高画質までは言わないまでも、高画質設定で快適に遊べるだろう。しかしパーツ選定編でも述べた通り、阿部氏は初老の域に足を踏み入れており、時間と体力と反射神経に勝る若者とガチで殴り合える時間も限られている。余暇の時間全てをPCゲームに費やせる訳でもない。

そこで阿部氏の組んだPCが、PCゲーム以外でも役立つことをベンチマークで明らかにしていきたい。家族にも言い訳が立つような使い方といえば、写真や動画の編集作業だ。

Lightroom Classic CCでRAW現像

まずは「Lightroom Classic CC」で200枚のRAW画像(6000×4000ドット)を最高画質のJPEGに書き出す時間を計測する。簡単な調整を施した状態からJPEGに書き出す場合と、書き出し時にシャープネス(スクリーン用)を付与する場合の2通りの時間を計測した。5回測定した中央値を採用している。

  • 「Lightroom Classic CC」における、RAW画像→JPEG書き出し時間

  • シャープネス処理を付与すると全コアほぼフルロード状態になる。メモリを1GB近く消費している点にも注目したい

シャープネスを付与するとCPU占有率もほぼ100%になるが、そこは論理コア数の多いRyzen 5 2600Xのパワーが発揮された印象だ。このグラフだけで速い遅いは判断できないが、ひとつ言えるのは200枚程度でRawで撮りためてあっても、5分もあれば一気にJPEGに変換できる、ということだ。

Premiere Pro CCで4K動画

前回、組み立ての模様を動画で紹介していたが、この際の撮影機材は阿部氏の所有するビデオカメラだ。つまり動画のエンコード速度データも気になるところ。そこで「Premiere Pro CC」で約3分半の4K動画プロジェクトを用意し、これをMP4形式で書き出す時間を計測した。コーデックはH.264とH.265とし、それぞれ1パス20Mbpsで書き出している。

  • 「Premiere Pro CC」による4K MP4書き出し時間

  • Premiere Pro CCによる書き出し設定はこんな感じ

H.264に比べ、H.265では約2倍の時間がかかっている。H.265は計算負荷が高いコーデックだが、現行RyzenはH.265との相性があまりよろしくないのも速度差がついた原因である。H.264なら3分半の4K動画が約6分で書き出せるのだから、阿部氏にはガンガン思い出の動画を編集して、もっとコア数が多くなる(とされる)次世代Ryzenへ乗り換える「大義名分」を作っていただきたいところだ。