インストールしたアプリの数とシステムの動作速度/レスポンスに因果関係はあるやなしや、という質問でしょうか? そうでしたら答えは「否」です。アプリをどれだけインストールしても、どれだけ起動しても、システムの異常動作が引き起こされないかぎりはiPhoneの速度に影響は生じません。

アプリのインストールとは、構成部分(プログラムや画像などのリソース)を内蔵ストレージにコピーする処理を指します。アイコンをタップして起動しないかぎり、それら実行部分はただ内蔵ストレージに存在するだけで、システムに負荷を生じることはありません。本棚に本を増やすことと同じ、といえばわかるでしょうか。

アプリの起動は、本棚から本を出して机の上に置くことと似ています。机はメモリ(RAM)であり、作業場としていくつもの本(アプリ)を開いておくことができますが、広さには限りがあるため、手狭になってきたら本を閉じて作業スペースを回復しなければなりません。切り替え後に概ね3分以上未使用状態が続いたときも同様に、本は自動的に閉じられます。このようなしくみで、iPhone(iOS)は複数のアプリを効率よく実行しているのです。

たとえば、アプリAの起動後にアプリBを起動すると、アプリAは一種の凍結状態になります。アプリBからアプリAに画面を切り替えると、アプリAがすぐに元どおり作業を続行できるのはそのためです。しかし、アプリBが巨大な作業領域(メモリ空間)を必要とする場合、システムはアプリAを強制終了させてメモリ空間を確保しようとします。前述の喩えでいえば、本を何冊開いても机が狭くならない巧妙なしくみがiOSにはあるのです。

なお、アプリの中には「バックグラウンド更新」を許可されているものがあります。バックグラウンド更新とは、アプリを起動していないとき(画面に表示されていないとき)でも内容を更新できるという一部のアプリが対応する機能ですが、システム全体が"重くなる"要因にはなりません。

  • インストールしたアプリの数と"重さ"に直接の因果関係はありません