ということで簡単にGeForce RTX 2060の評価をお届けした。総評で言えば「買い」だろう。値段次第ではあるのだが、GeForce RTX 2060の性能は、GeForce GTX 1070/1070 Tiとほぼ同レベルに達している。

もちろんGeForce GTX 1080には及ばないが、こうした性能が必要な人はGeForce RTX 2070を狙えば良い。現在GeForce GTX 1060クラスを使っているユーザーのアップグレードパスとしてはとても良い製品に仕上がったと思う。

その一方で、Tensor Coreを利用したDLSSはともかく、RT Coreを使ったRay Tracingは、少なくとも現状のレベルで言えば無茶というか、あまり期待をしない方が良い。確かにちょこっと描画にリアリティは出るが、その代償としてかなりのパフォーマンスのペナルティを追う事になる。

そういう意味で言えば、新年の特集記事ででちらっとご紹介したGeForce GTX 1160(GeForce RTX 2060からTensor CoreとRT Coreを無効化して、その分ちょっとだけ値段を下げた製品。ただOEM向けオンリーになる可能性もあり、一般販売されるかどうかは不明)の方がバランスは良い気もするのだが。

いつものように、問題は日本国内での価格である。349ドルのカードが日本で販売される場合にいくらになるのか。この原稿の冒頭で、US Amazonにおける価格をご紹介したが、同じ様に日本のAmazon(価格は1月4日現在のもの)で調べると

GeForce GTX 1060が2万8000円から、GeForce GTX 1070が6万2000円から、GeForce GTX 1070 Tiが6万5000円からといった価格付けになっている。

GeForce GTX 1070と1070 Tiの価格差があまりないのが特徴で、相対的にGeForce GTX 1070が割高(というか、GeForce GTX 1070 Tiが割安)になっている。

GeForce GTX 1070/1070からのアップグレードにはあまり意味がない(性能差が殆ど無い)から、ターゲットはGeForce GTX 1060を所有しているユーザーのアップグレードか、もしくは新規にGeForce GTX 1070/1070 Tiクラスの製品を求めようとしているユーザーになる。

アップグレードを考えると、できれば5万を切ってほしいところ(GeForce GTX 1060の価格を考えれば、本来はこのあたりが適正)だが、まだGeForce GTX 1070/1070 Tiの流通在庫が大量にある現状を考えると、結構高めになりそうな気もする。

現状、GeForce RTX 2070が7万円程度からで販売されている事も踏まえると、6万を切るか切らないか、という価格付けになりそうな感じもある。

ユーザー的に言えば、GeForce RTX 2060が6万円そこそこで販売され、その分GeForce GTX 1070/1070 Tiの値段が下がってくれれば、これを狙うというのも1つの選択肢になると思うのだが、さてどうなるであろうか?