最後に消費電力である。今回はいつもの3DMark FireStrike(グラフ69)に加え、Far Cry 5の2K(グラフ70)、及びFFXV Benchの2K 標準画質(グラフ71)の結果も測定した。3つの消費電力変動の平均値(と待機中の消費電力)をまとめたのがグラフ72、ここから稼働時の消費電力差を算出したのがグラフ73となる。

総じて言えば、GeForce RTX 2060の消費電力そのものはGeForce GTX 1070/1070 Tiと大きく変わらないレベルにとどまっている。GeForce GTX 1070/1070 TiのBoard TDPが180W、GeForce RTX 2060のBoard TDPが160Wと発表されているが、グラフ73を見るとこの数字が実情とかけ離れていない(この数字にはGPUだけでなくCPUやMemoryの稼働中の消費電力も含まれるから、そう考えると概ね妥当な数字だと思う)。

CUDAコアのみならずRT CoreやTensor Coreなどを追加しながら、この消費電力に抑え込んだのはなかなか立派だと思う。電力効率のよさにつながる理由として、GDDR6の採用が挙げられるだろう。

GDDR6は帯域を増やしつつ消費電力を引き下げており、このあたりが帯域を増やしつつも消費電力が更に増えたGDDR5Xとの大きな違いである。CUDAコア数×動作周波数の比で言えば、GeForce RTX 2060の消費電力はGeForce GTX 1070と大体同等になるはずで、これが実際に確認出来た形だ。