2018年も、さまざまな魅力を持つデジタル機器や白物家電が登場しました。低価格でも充実した機能を持つコストパフォーマンスの高い製品が人気を集める一方で、高価ながらオンリーワンの特徴を持つ製品も話題になりました。そこで、「値が張るので簡単には手を出せないけれど、奮発してでも買いたい“ちょい高アイテム”」を、デジタル&白物家電業界に造詣の深いライター諸氏にご紹介いただくことにしましょう。
今回は、PCから白物家電まで扱うライター、諸山泰三さん。なんと、「私が買わせて『よかった!』といわれた買い物」の紹介。奮発して買わされたご本人にも覆面で登場していただきます。
世界最軽量を更新し、698gを実現
筆者が友人に買わせた、奮発してでも買いたい“ちょい高アイテム”は、富士通が2018年の11月に発売したばかりの「LIFEBOOK UH-X/C3(以下、UH-X/C3)」。13.3型で重量698gの超軽量モバイルノートPCです。2017年10月発売の「LIFEBOOK UH75」は748gでしたが、一年間でさらに50gの軽量化を実現しています(いずれも最軽量モデルの重さ)。実売価格は税別250,000円前後です。
主な仕様は、CPUが第8世代のIntel Core i7-8565U(1.80GHz)、メモリが8GB、ストレージが512GB SSD、グラフィックスがIntel UHD Graphics 620(CPU内蔵)、ディスプレイが13.3型フルHD(1,920×1,080ドット)で、光学式ドライブは非搭載。OSはWindows 10 Pro 64bitです。
軽量を最重視と判断して候補を絞り込む
筆者の推薦でUH-X/C3を購入したのは、広告代理店でプランナーをしている、友人の三浦弘和(仮名)氏。6歳と3歳、2児のパパで、すてきな奥さんのいる38歳です。購入して1カ月ほどして、かなり気に入って使っていると聞き、どこがどんな風に気に入ったのか根掘り葉掘り。
まず、筆者がなぜ三浦氏にUH-X/C3をすすめたのかまとめておきます。
11月も半ばを過ぎたころ、三浦氏から仕事で使うWindows PCでオススメはないかと聞かれました。彼が十年以上も前からずっとMacを使っていたのは知っていたので、どういう経緯か聞いたところ、担当の変更で新しいクライアントを担当することになり、そこの制作環境がWindowsオンリーのため、自分だけがMacだと何かと不便に感じることがあったそう。
具体的にどんなPCがよいのか、重視する条件、満たせると嬉しい条件、だいたいの予算を聞き、その条件ならこれがぴったりと考えたのが富士通のUH-X/C3だったのです。三浦氏の条件はおおむね以下の内容。上に行くほど重視している条件です。
(1)持ち運びが快適な軽量PCであること。本体重量が1kg以下を必須条件として、軽ければ軽いほどよい。
(2)Adobeのクリエイティブ系ソフトを使うので、CPUはCore i7以上で、メモリが8GB以上、SSDは必須。画面は13.3型くらいで、1,920×1,080ドットのフルHD以上は必須。画面がノングレア(非光沢)だと嬉しい。
(3)スペック値で10時間以上のロングバッテリーである。
(4)外部モニターで作業をしたり、会議でプロジェクターに接続するために、HDMI端子を備えていると嬉しい。
(5)カメラの撮影データをやり取りするので、フルサイズのSDカードスロットがあると嬉しい。
予算は「25万円以下で」といわれました。それなりに高性能なPCを求めるだけあって、ある程度の予算は必要と覚悟していたようです。それだけに「失敗したくないから」と相談された訳です。
UH-X/C3は、13.3型では相談された時点での世界最軽量マシンなので、あまり考えなくても選択肢からは外せないところですが、重量以外の条件もすべてクリアしています。価格もちょうど25万円をギリギリ下回るセールがあったので、「今ならここで買えるぞ」と背中を押しました。
「できるだけ安く」といわれると、発売されたばかりの新製品はすすめにくいのですが、今回は条件に合う新製品があって筆者も嬉しかったです。
ちなみにロングバッテリーを気にしたのは、「バッテリー時間が気になってACアダプターを持ち運んでいたら、本体が軽くても意味がないため」とのことでした。
上記の条件、(4)と(5)についても、変換アダプターやカードリーダーを使うという手段はありますが、これもACアダプターを持ち歩きたくないのと同じで、「荷物を減らしたいので、できれば……」とのこと。
これらの条件からも、彼は(1)の重量に対するニーズが特に大きいと分析しました。
「世界最軽量」のフレーズは強い
軽量性を重視する場合、NECの「Hybrid ZERO」も検討対象として外せません。13.3型でCorei 7搭載の「HZ750/LA」は約831g。UH-X/C3より130gほど重たいものの、三浦氏がこの重さの違いをどこまで評価するかは分かりません。
UH-X/C3のバッテリー連続駆動時間は約11.5時間で、HZ750/LAは約10.8時間。バッテリーもUH-X/C3が若干有利です。
HZ750/LAは液晶をぐるりと回転させてタブレットにもなる2in1スタイルで、ここがUH-X/C3にはない大きな特長になります。三浦氏が営業先でクライアントにプレゼンする場合などには便利かもしれないと考え、彼にPCをタブレットとして利用したいか聞くと「特に必要ない」との回答。
彼にはUH-X/C3がよいと判断しました。
筆者の口車、もとい、筆者の推奨に乗った三浦氏は「世界最軽量」のフレーズに興味津々で店頭に向かい、「うわ、めっちゃかる!」と目を丸くして、「これ、モックじゃないんですか?」と何回も店員に聞いたあと、UH-X/C3を購入しました。
「喫茶店などで時間調整する機会が多く、持ち運んでどこでも使えることを最重視したい」という三浦氏のニーズに、UH-X/C3はピッタリはまりました。