アップルのiPadシリーズは、美しい薄型ボディや安定した動作、対応アプリの多さなどが支持され、タブレットのなかで不動の人気を誇る存在です。この10月には、デザインを一新してさらなる薄型化や高性能化を図った新しいiPad Proが登場し、高い注目を集めています。
ただ、新しいiPad Proはもっとも安い11インチモデルでも税別89,800円と高価で、税込みでは97,000円近くにもなってしまいます。イラスト作成や写真編集、文書作成といったプロフェッショナルな用途で使うならともかく、家族が日常生活で使うタブレットとしてはあまりに高価です。
性能と価格のバランスを考えると、新しいiPad Proの登場で価格がガクンと下がった旧iPad Proの中古品がお買い得といえます。Apple PencilやSmartKeyboardなどのアクセサリーの価格が急落したことも、旧iPad Proを選ぶべき理由になります。そのほかのシリーズと合わせ、中古iPadの販売価格や選び方を見ていきたいと思います。
iPadは多少古い世代でも不満なく使える
まず、iPadの中古品を取り扱うじゃんぱらで、歴代iPadの中古品をいくらで販売しているか調査してみました。すべてWi-Fiモデルの価格で、税込み価格となります。
機種名 | 発売年月 | 中古品の相場 |
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iPad Air(16GB) | 2013年11月 | 16,800円 |
iPad Air 2(16GB) | 2014年10月 | 24,800円 |
iPad Air 2(64GB) | 2014年10月 | 27,800円 |
iPad 第5世代 2017(32GB) | 2017年3月 | 28,800円 |
iPad 第5世代 2017(128GB) | 2017年3月 | 35,800円 |
iPad 第6世代 2018(32GB) | 2018年3月 | 32,800円 |
iPad 第6世代 2018(128GB) | 2018年3月 | 39,800円 |
iPad Pro 9.7インチ(32GB) | 2016年3月 | 36,800円 |
iPad Pro 9.7インチ(128GB) | 2016年3月 | 45,800円 |
iPad Pro 9.7インチ(256GB) | 2016年3月 | 50,800円 |
iPad Pro 12.9インチ 第1世代(32GB) | 2015年11月 | 44,800円 |
iPad Pro 12.9インチ 第1世代(128GB) | 2015年11月 | 49,800円 |
iPad Pro 10.5インチ(64GB) | 2017年6月 | 54,800円 |
iPad Pro 10.5インチ(256GB) | 2017年6月 | 59,800円 |
iPad Pro 12.9インチ 第2世代(32GB) | 2017年6月 | 66,800円 |
iPad Pro 12.9インチ 第2世代(256GB) | 2017年6月 | 74,800円 |
まず覚えておきたいのが、iPadは多少古いモデルでも現行モデルとの装備の違いがあまり大きくないこと。CPU(SoC)は世代ごとに進化するので処理性能こそ異なりますが、2048×1536ドット表示のRetinaディスプレイやTouch IDによる指紋センサー、Lightningコネクターなどの基本的な装備は比較的古いモデルでも変わりません。iPad Air以降のモデルならば、最新のiOS 12にアップデートできるのも見逃せないポイント。古いモデルでも、最新のiPad Proと同様に多くの人気アプリが使えるのです。
そのようなiPadですが、中古品を取り扱うじゃんぱら 秋葉原本店の山中雄一氏は「新型iPad Proが発表されてから、従来モデルの中古品の相場が大きく下がった」と語ります。購買者の注目が新しいiPad Proにシフトしつつあることや、新型への買い替えで従来モデルが買い取りに持ち込まれることが増えたことで、全体的に旧モデルの相場が下がったわけです。
なかでも山中氏が「性能と価格のバランスがよい」と薦めるのが、9.7インチ液晶を搭載した初代iPad Proの中古品。32GBのWi-Fiモデルは、税込み34,800円前後からの価格で購入できます。CPUの世代はやや古いものの、ゲームアプリや写真アプリなどもストレスなく動作します。
専用デジタイザーペン「Apple Pencil」やカバー兼キーボード「Smart Keyboard」が使えることもiPad Proの特徴ですが、注目したいのは初代iPad Proに対応したApple PencilやSmart Keyboardも中古品の価格が軒並み下がっていること。これらは新しいiPad Proでは使えないため、本体と一緒に買い取りに出されることが増え、値崩れを起こしたとみられます。Apple Pencilは6,000円前後、Smart Keyboardは8,000円前後と、新品と比べてかなり手ごろな価格で入手できるようになりました。
ノートPC代わりに使える大画面が欲しいならば、第1世代のiPad Pro 12.9インチモデルもおすすめ。32GBモデルが税込み44,800円前後と、9.7インチiPad Proの約1万円アップで圧倒的な大画面iPadが手に入ります。
予算を抑えるなら、iPad Air 2やiPad 2017も狙い目
「もっと安く買いたい」と考える人は、iPad AirやiPad Air 2、iPadの第5世代モデル(2017年版)や第6世代モデル(2018年版)がターゲットとなります。
最新の2018年版iPadは、新品でも税別37,800円で入手できるコストパフォーマンスの高さが魅力ですが、中古ならば税込み32,800円前後から購入できます。Apple Pencilに対応しているメリットもあるので、3万円台前半の予算が用意できるならば2018年版iPadの中古品を選ぶのがベターでしょう。
より低予算で購入したい場合、iPad Air 2やiPad 2017がターゲットになります。iPad Airならば1万円台で購入できますが、指紋認証機能のTouch IDがなかったり、CPUやグラフィックスの性能がガクンと落ちるなど、かなり見劣りします。ゲームなどのアプリをストレスなく楽しみたいならば、iPad Airは見送ったほうがよさそうです。
山中氏は、最後に「新しいiPadをできるだけ安く買いたいなら、本体にキズや汚れがあったり、付属品の欠品がある商品をあえて選ぶのも一考」とアドバイスします。キズや汚れ、ケーブル類の欠品がある中古品は、基準価格から10~40%前後も安くなり、値ごろ感が大幅にアップするからです。「背面や側面に目立つキズやヘコミがあっても、ケースを装着すれば気にならなくなる。パネル面にキズやスレがないなら、検討する価値がある」(山中氏)。
新型iPad Proが登場して旧モデルの在庫が充実しているいまが、コンディションのよい中古iPadを安く入手するチャンスといえます。ぜひアキバのショップに足を運んだり、ショップのWebサイトで中古品の情報をチェックしてみてください。