iOSに標準装備の「メモ」は、気軽に使える文書入力用アプリです。思い付いたことをとりあえず書き込んでおく備忘録としてはもちろん、書いたことをメール本文として利用したり、LINEやTwitterなどSNS発信に用いたり、使いかたは自由自在。iCloudを保存先として指定していれば、同じiCloudアカウントでサインインしているパソコンと文書を共有することもできます。
そんな「メモ」は、ハイパーリンクに対応しています。「http://」や「https://」から始まるWEBページのアドレス(URL)を書き込み、画面右上の「完了」ボタンをクリックして編集内容を確定すれば、タップするとSafariでそのアドレスのページを開く仕組みになります。
iOS独自の「URLスキーム」にも対応しています。URLスキームとは、アプリを指す一意な文字列で、アプリから他のアプリを起動することができます。URLスキームをサポートするアプリで利用でき、「メモ」もURLスキームを利用できます。iOS 12に標準装備のアプリでいえば、カレンダーは「calshow://」、天気は「weather://」などと命名されています。WEBページのアドレスのようにハイパーリンクが自動設定されますから、文書中からアプリを起動できるしくみにすることも可能です。
アプリによっては、URLスキームに引数(関数などを呼び出すとき渡す値)を指定できます。FaceTime Audioは「FaceTime」アプリによって提供される音声通話ですが、「facetime-audio://」という固有のURLスキームが設定されており、FaceTime Audio開始時に指定する相手の情報(iCloudメールや電話番号)を引数とすると、タップで特定の相手をFaceTime Audioを呼び出せるハイパーリンクを作成できます。
なお、ここでは「メモ」を対象に説明しましたが、「メール」などURLスキームに対応したアプリであれば、この方法でFaceTime Audio呼び出し用ハイパーリンクを作成できます。メールの署名欄に記載しておけば、メールを受け取った相手がFaceTime Audioで電話しやすくなりますよ。