パナソニックが創業100周年を記念したイベント「クロスバリュー・イノベーションフォーラム2018」を都内で開催しました。そこで、パナソニックが見せたコネクテッドカーに関連する独自の取り組みを取材しました。

  • パナソニック「ミライのコネクテッドカー」

    パナソニックがブランドの創業100周年を記念するイベント「クロスバリュー・イノベーションフォーラム2018」を開催しました

次世代の移動通信システム「5G」、この商用サービスが2019年以降に始まることが決まってから、ネットワーク経由で様々なサービスにつながるコネクテッドカーの技術が日本国内でもにわかに脚光を浴びています。

パナソニックは自動車のメーカーではありませんが、先進的なオーディオ・ビジュアル関連の機能を搭載するカーナビゲーションシステムや、センサーの技術を生かしたADAS(先進運転支援システム)、EV(電気自動車)向けのバッテリーなど、BtoB向けの車載事業を展開しています。しかもその規模は、世界で指折りのスケールを誇っています。

今回のイベントで、パナソニックはコネクテッドカーに関連する取り組みを視覚化したコンセプトカーを展示。有識者による「ミライのクルマ、街、くらし」と題したクロストークセッションにも、パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社の社長である伊藤好生氏が登壇しました。

  • パナソニック「ミライのコネクテッドカー」

    クロストークセッションに登壇したパナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 社長の伊藤好生氏

伊藤氏は、パナソニックがこれから「クルマの進化」にどのような役割を果たしていくのか展望を語ります。

「今のクルマを取り巻く環境は大きく変化している。自動運転や電動化の技術革新に加えて、自動車をシェアしながらコミュニティ単位などで活用するという利用スタイルが都市部を中心に定着しつつある。パナソニックもこの変化に適応しながら、今までに家電事業で培ってきたノウハウを生かした独自性豊かな技術やサービスを提供したい」(伊藤氏)。

「コネクテッドカーのコックピットには、当社のマルチディスプレイ技術とユーザーインタフェースのノウハウが生かせると考えています。また、自動運転の支援システムは、当社が様々な種類のカメラで培ってきた画像処理技術にも深く結びついています。

無線通信技術とつなぐことによって障害物を高精度に検知しながら、ドライブ中の車両の周辺情報を的確に認知・判別、衝突事故を先読みしながら防ぎます。そして当社が先を行く電池・電源技術によって、小型で高効率な電動車両が実現できます」(伊藤氏)。

  • パナソニック「ミライのコネクテッドカー」

    パナソニックが家電、バッテリーの分野で培ってきた技術が次世代のコネクテッドカーにも生かせると伊藤氏が説いています