ベルギーの独立系ナノテク研究機関imecは、CMOSプロセスをベースにした高密度神経プローブ「Neuropixels」を開発したことを発表した。

このプローブは米Howard Hughes Medical Institute (HHMI) Janelia Research Campus、米Allen Institute for Brain Science、および英University College of Londonの国際的な協力を得て、imecが設計し、imecキャンパス内のCMOSデバイス試作・小規模生産用クリーンルームで製造された。Neuropixelsプローブの性能や神経科学実験への適用の可能性については、学術誌「Nature」に掲載されたという。

  • 高密度神経プローブ「Neuropixels」
  • 高密度神経プローブ「Neuropixels」
  • CMOSプロセスを活用してimecが設計・製造した高密度神経プローブ「Neuropixels」 (出所:imec)

同神経プローブは、ほぼ1000個の電極と1本のシャンクに384個の記録チャンネルを備えており、脳活動のマッピングでは前例のない高解像度の画像を提供できるとしており、すでにグローバルな神経科学研究者に向けて提供を開始。詳細な情報や使用マニュアルについては、専用のWebサイトにて無料で公開されている。

なお、imecでNeuropixelsプロジェクトを率いてきたチーフサイエンティストのBarun Dutta氏は、「Neuropixelsプローブは、最新のCMOSプロセス技術を活用することで実用化にこぎつけた。Neuropixelsプローブが神経科学研究手法に革命をもたらし、複雑な脳のプロセスや疾患の理解を促進することを心から願っている。今後とも、神経科学研究のツール開発のために寄付をしてくれる方々に支えられ、imecは、ムーアの法則の強みを活かして、継続して神経科学研究者に革新的なツールを提供していきたい」と述べている。