日本HPから、PCにレザー素材を使うという斬新なノートPC「HP Spectre Folio 13」や、デザイン刷新の2in1 PC「HP Spectre x360」シリーズなどコンバーチブルPCが発表されました。発売時期はいずれも12月初旬です。発表会と実機の写真を紹介していきましょう。

  • 日本HPは「HP Spectre Folio 13」や「HP Spectre x360」シリーズなど、コンバーチブルPCを発表しました

レザーを全面的に使ったHP Spectre Folio 13

HP Spectre Folio 13は、レザー素材をふんだんに使用した独特の設計、デザインが特徴のモデルです。発表会に登壇したデザイン責任者のステイシー・ウルフ氏は「レザーの持つ、美しさと機能性に着目しました」と話します。価格はオープンで、店頭予想価格は税別169,800円前後です。

  • HP Inc. パーソナルシステムズ デザイン部門グローバル責任者のステイシー・ウルフ氏

  • HP Spectre Folio 13は、利用シーンに合わせて、ノートブック、タブレットなどモードを切り替えて使用できます

より詳しい開発話やデザイン話は、ステイシー・ウルフ氏へのインタビュー記事でお伝えするとして、ここではいくつかの特徴に触れましょう。

シャーシなどの構造をすべて見直したHP Spectre Folio 13。バッテリは筐体の70%を占めるほどに大容量化し、約18時間のバッテリ駆動を実現しました。相反するように、マザーボードに使える面積は小さくなったため、その小型化が必須課題に。発表会の会場には、ステイシー氏が「HP、インテルの開発者が眠ることなく努力した結晶」と語ったマザーボードも展示されていました。

  • 小型化を実現したマザーボード

HP Spectre Folio 13の本体カラーは、コニャックブラウンとボルドーバーガンディ(2019年春に発売)の2色で展開。カラバリによってキーボードの色も異なる仕様で、コニャックブラウンはブラック、ボルドーバーガンディはゴールドアルミニウムのキーボードを搭載しています。

  • カラバリは、コニャックブラウンとボルドーバーガンディの2色で展開。上の写真はかなり明るく写っていますが、本体はもっと落ち着いたダーク系の色です

デザインが美しいHP Spectre x360シリーズ

一方、HP Spectre x360シリーズは、スタイリッシュなアルミニウム筐体が美しい360°回転ヒンジのコンバーチブルPC。13.3型の「HP Spectre x360 13」と、15.6型の「HP Spectre x360 15」の2モデルで展開します。側面にダイヤモンドエッジカットを施したほか、大胆にカットされたデバイスの角にUSB Type-Cポートと電源スイッチを配置するなど、デザインを一新しています。

  • アルミニウム筐体のHP Spectre x360。デバイス右奥の角にUSB Type-Cポートを、左奥の角に電源スイッチを配置するなど、斬新なデザイン

13.3型モデルではアッシュブラックに加えて、上位機種で新色のポセイドンブルーも用意。画面は360度回転できるので、タブレットスタイルでも使えます。製品にはSpectreアクティブペン2が同梱されます。

  • 13.3型モデルは、アッシュブラックとポセイドンブルーで展開。ディスプレイをひっくり返せば、タブレットとしても利用可能です

セキュリティに関連するところでは、Windows Hello対応の顔認証センサー、指紋認証センサーを持っています。また、物理スイッチでカメラ機能をオフにできる「プライバシースイッチ」を側面に搭載。担当者は「カメラをオフにするだけでなく、システムから外す仕様。これにより、外部からハッキングできないようにしました」と説明しています。

  • 側面のプライバシースイッチでは、カメラ機能をシステムから切り離すことができます

HP Spectre x360 13のバッテリ駆動時間は、驚異の最大22時間30分。仕事にプライベートに思う存分利用できそうです。本体サイズは約308(W)×217(D)×14.3~16.0(H)mm、重さは約1.32kg。ベーシックモデル / スタンダードモデル / プロフェッショナルモデル / パフォーマンスモデルに細分化された計10モデルで展開しており、販売価格(税別、以下同)は139,800円からとなっています。

  • キーボードの上面にはBang&Olufsenのスピーカーを配置しています

15.6型のHP Spectre x360 15は、ストレージの違う2モデルを用意。従来機種と比較して最大約20%もパフォーマンスが向上しており、日本HPは「史上もっともパワフルなコンバーチブルPC」とアピールします。デザイナーなどクリエイターのニーズに応えるほか、ゲーミングPCとしても利用できるでしょう。価格は229,800円からとなっています。

オンリーワンの発想がビジネスを牽引

日本HP 代表取締役 社長執行役員の岡隆史氏は、プレミアム感を持たせた特徴的な製品がHPのビジネスを牽引している、と話します。

  • 日本HP 代表取締役 社長執行役員の岡隆史氏

「製品を開発するとき、社内では必ず『その製品にしかないものを持っているか』を問います。サイズが世界最小である、バッテリの駆動時間が世界最長である、そうした従来なかったような製品を市場に展開することで、これまでHPブランドを形づくってきました」(岡氏)。

実際、この3年間の取り組みは成果として数字にも現れてきたとのこと。「需要が伸び悩む個人向けPC市場において、どの四半期も、HPがもっとも高い成長率を維持している」(岡氏)と評価しました。

  • 「PC市場が前年比二桁マイナスで苦しい中、HPはプラス成長しながら勢いを増しています」(岡氏)

発表会の後半は、MCにサッシャ氏を招いたトークセッションを開催。ステイシー・ウルフ氏と元サッカー日本代表の中田英寿氏が、モノづくりをテーマにした特別対談を行いました。

全国各地を旅する中で、陶芸家、農家、蔵元などと交流して日本のモノづくりに触れてきたと語る中田氏。「日本の職人は、売れ行きなど採算にこだわらない人が多い。作りたいものを作り、生活費に困るので販売している。そこが欧米との違いで、日本の職人のプレミアムなところといえるのでは」と、独自の視点を披露しました。

  • JAPAN CRAFT SAKE COMPANY 代表を努めている中田英寿氏が、HPのステイシー氏と対談。MCはJ-WAVEのナビゲーターなどで活躍するサッシャ氏

ステイシー氏は、レザー素材を採用したHP Spectre Folio 13の開発にあたり、デザイナーがレザー職人にアドバイスをもらったことを念頭に「職人の作り出す作品には魔法のような要素がある。デザイナーも、そこを意識しないといけない」と語っていました。