携帯番号を変えずにキャリアからキャリアへ契約を切り替える「携帯電話番号ポータビリティ(MNP)」は、2006年以来多くの携帯電話/スマートフォンユーザに利用されています。当初ソフトバンク1社のみ販売していたiPhoneはMNPの対象になりにくい存在でしたが、現在ではNTTドコモやau、格安SIM(MVNO)も扱うようになり、エンドユーザにとって当たり前の選択肢となっています。

そのMNPですが、iPhoneの場合「Apple ID」に注意しなければなりません。Apple IDはユーザIDにメールアドレスを利用するため、「XXXX@docomo.ne.jp」や「XXXX@ezweb.ne.jp」、「XXXX@softbank.ne.jp」といったキャリアメールを指定している場合、MNP前に変更手続きを行わないと面倒なことになります。MNPの手続きが完了すると、それまで利用してきたキャリアメールは無効になり、そのアドレス宛てにメールが届かなくなるからです。

「iCloud」や「App Store」、「iTunes Store」といったAppleの各種サービスは、ユーザIDとパスワードが一致すればサインインできますから、MNP完了後も設定変更なしに使用することは可能です。しかし、ユーザIDとして利用しているアドレス宛にメールが送信されても読むことはできません。パスワードを変更するときの確認など、重要なメールであっても送信された事実すらわからなくなります。パスワードを忘れてしまった場合は、そのApple IDを使えなくなるという最悪の事態を覚悟しなければなりません。

このような事態を避けるには、MNP実行前にApple IDのユーザID変更手続きを済ませておく必要があります。Apple ID管理サイト(https://appleid.apple.com)からサインインし、MNPにより使えなくなるキャリアメールから他のアドレスに変更しておきましょう。

  • MNP実行前に、Apple IDをキャリアメール以外のアドレスに変更しておきましょう