また、複数名で利用することも想定し、ユーザーごとにアイコンを色分けできるようになっています。ユーザーは4名まで無料で登録でき、各ユーザーが5台までデバイスを登録できます(うち1台はScanSnap Home搭載デバイス)。5人め以降は一人9,800円(税別)で登録可能になります。アイコンの色は8種類まで登録可能なので、最大8人までは色かぶりせずに利用できることになります。

  • ユーザーごとにアイコンの色を決めておけば、複数で利用してもデータの保存先などで迷わなくてすみます

データ修正を学習、次回以降のスキャンに反映

2つめのポイントである、ScanSnap Homeは従来のScanSnap用のソフトウェアを統合したもので、本体に同梱して提供。スキャン画像の閲覧・管理や編集、各種機能の呼び出しはもちろん、ユーザー設定やスキャンの設定、先述のアイコンの登録なども一括して管理する内容になっています。対応OSは、Windows 7 / 8.1 / 10、macOS v10.12 / 13 / 14となっています。

  • ScanSnap Homeのメイン画面。A4用紙、L版写真、名刺、レシートを各1枚ずつスキャンしたところ。文書内容からファイル名を自動的に提案します

スキャンしたデータのファイル名は、日付や内容など、自分なりにルールを設けて付けているユーザーは多いでしょう。ScanSnap Homeでは、スキャンした原稿の内容からOCRを利用して自動的にファイル名を提案する機能を搭載。入力の手間を省くため、大量のスキャンでも苦になりません。

しかも、AIを活用し、提案したファイル名が修正された場合は、どのような修正がなされたか記憶して分析し、次回以降の提案に反映します。つまり、使えば使うほど「こうしたい」と思うファイル名が最初から付くようになるということ。

日付をファイル名の先頭に入れるか後ろに入れるか、あるいはハイフンやアンダーバーを使うか、【 】などで囲むといった場合など、個々のニーズに合ったファイル名が自動的に付くので、いちいちファイル名を変更する手間がなくなります。これはきっちり管理したい人ほど重宝するのは間違いありません。

また、検索機能も向上し、全文検索に対応しています。PDFやJPEGなど保存形式を選ばず、検索キーワードがファイル名に含まれていなくても、ファイルの内容に含まれていれば探し出す高性能ぶり。原稿種別を設定して自動分類したり、スキャンしたファイルごとに任意のタグを付加することも可能です。

  • 見積書をスキャンしたときの自動ファイル名生成の例

  • 学習により、使えば使うほど最適なファイル名を提示するようになります

基本性能もブラッシュアップ。デザインを作り込み

3つめのポイントである、デザイン性とストレスフリー設計は、基本性能のブラッシュアップと言えます。とはいえ、デザインもユーザビリティもかなり丁寧に作り込んでおり、たとえばデザイン面では、給紙カバーを閉じると真っ白な箱のようになってインテリアを邪魔しません。

  • 作業用デスクのPCディスプレイの横に置いた例

給紙カバーはエクステンションを伸ばせるようになり、A4サイズの紙の設置性が向上。スキャンした紙を吐き出す、本体前面のスタッカーは従来の折りたたみ式から引き出し式となり、ワンアクションでセットできるようになっています。

  • 基本的な本体の機構部分も使い勝手の見直しが図られています

スキャン速度も従来機種と比較して約20%向上しており、300dpiでA4カラー両面、毎分30枚の高速読み取りが可能になっています。スキャン開始までの時間も短縮しており、Wi-Fi接続では約3倍、USB接続では約2倍、高速化しています。

  • より高速なスキャンが可能になっています

「手差しスキャン」を利用することで、2つ折り原稿を一度にスキャンし、画面上で折って裏表となったスキャン画像を合成して一枚のデータに変換可能。スキャン結果に縦筋が入った場合は自動的に補正して、縦筋の汚れを軽減できるようになったほか、紙粉でスキャンに影響が出る汚れが本体に付いた場合は、クリーニングアラームを表示し、読み取りガラス部の清掃を促す機能も搭載しました。

  • A4用紙、L版写真、名刺、レシートをスキャンしているところ。スキャンはかなり高速で小気味よく、一見すると本当にスキャンできているのかと感じるほどでした