吸引力に関して、コードレスクリーナーは"吸込仕事率"というスペック値が公開されていません。パナソニックによると、キャニスター掃除機と同等の約200Wに相当するそう。あくまで感覚ですが、実際に使用したときダイソンに匹敵すると感じました。バッテリー性能に関しても、ダイソンとほぼ互角。「重いけどよく吸う」という印象です。
ダイソンとパッと見で異なるのは外観ですが、POWER CORDLESSはシンプルで落ち着いたデザインで、個人的には好感が持てます。シンプルとはいえ安っぽさがなく、決してお安いとは言えない価格に見合った素材感だと思います。
POWER CORDLESSにおいて筆者が感じた真価は、日本のメーカーらしい細かな配慮が利いた付加機能や仕様です。まずは"ヘッドブラシ"。何の変哲もないように見えますが、裏面のブラシは2種類の異なる素材で構成されています。緑色がフローリング、白色がじゅうたんに適した素材で、異なる床面に対応します。
また、ヘッド前面が開く機構を採用しているのも特長。ヘッドの前方が壁に当たると、プレートが上方向にスライドして開くことで、ブラシが壁の隅まで届いてゴミをしっかり掻き込めるような仕組みになっています。
そしてもう1つユニークなのが、足元にあるペダルのようなものを踏むとヘッドが取り外せる構造です。ヘッドが外れたパイプの先には"子ノズル"と呼ばれる隙間ノズルが現れ、そのまま狭い場所をスムーズに掃除できるのです。
ダイソン同様に、POWER CORDLESSは本体の重心が手元側にあるため、自立しない構造。なので付属のアタッチメントを付け替えるときは、基本的に本体を床に寝かせる必要がありますが、子ノズルだけは本体を寝かせずに使えるのがポイントです。ソファーや机などの隙間を掃除するたびに、手作業でわざわざパーツを付け替えるのは、思っている以上におっくう。今日はまぁいいや……と隙間の汚れを放置しがちなので、これはかなり画期的で便利な機構だと思います。
また、約20μmのゴミまで検知するクリーンセンサーも便利。ゴミを発見すると「赤」、ゴミがなくなると「青」に点灯するため、掃除の目安になり、効率よく掃除できます。実は筆者、ふだんのおおまかな掃除に関してはロボット掃除機に任せています。
ロボット掃除機が入り込めないところや、掃除できていなさそうな場所だけ、掃除機で掃除するというスタイルなのですが、フロアの上でPOWER CORDLESSを動かしていると、キレイになっていないところや、ゴミを取り切れていない場所がけっこう存在することに気づかされます。