親機が入れ替わる完全ワイヤレスイヤホン「TE-D01b」

TE-D01bは、Qualcommの最新チップセットのひとつ「QCC3026」を採用した完全ワイヤレスイヤホン。Qualcomm従来のチップよりも受信感度が向上し、左右の接続が非常に途切れにくくなったといいます。発表会場で実機を使い音楽を試聴できましたが、音はなめらかで落ち着いた感じ。低音がジャカジャカと鳴る感じはせず、しっかりと奥行き感を醸していました。

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    TE-D01b、色は左からNavy、Gunmetal、Black

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    手のひらに置いたサイズ感

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    充電ケースはTE-D01aと同じくらいのサイズでしょうか

TE-D01bでは、1回の充電で9時間の連続再生が可能。付属の充電ケースと組み合わせると、なんと計81時間も音楽を聴けます。Bluetoothのバージョンは5.0で、対応コーデックはSBC、AAC、aptX。価格は14,880円(税別)。発売日は2018年11月です。

最大の特徴は、「親機」と「子機」を入れ替えられること。通常の完全ワイヤレスイヤホンは、左右どちらかがあらかじめ親機として設定されており、親機はスマホや音楽プレーヤーなどのデバイスとつながります。もう片方のイヤホンは子機として親機から信号を受け取るため、デバイスとはつながりません。つまり、親機は受信と送信のどちらも担っているわけで、子機よりも多くの電力を消費することは自明の理。だから完全ワイヤレスイヤホンでは、親機のほうが先に電池がなくなってしまうのです。

TE-D01bは、ケースから取り出して先に電源の入ったほうが親機になり、その後も適宜、電波の強いほうに親機を振り当てていきます。左右のバッテリーを有効に活用できるため、1回の充電で最大9時間の連続再生が実現したわけですね。

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    左が従来の完全ワイヤレスイヤホン、右がTE-D01bのペアリング方式

QCC3026は、Qualcommのチップセット「Snapdragon 845」を搭載したスマートフォンと組み合わせて利用する「TrueWireless Stereo Plus」(TWS Plus)という機能に対応しています。TWS Plusは、デバイス側が右のイヤホンと左のイヤホンにそれぞれ信号を送信する機能。デバイス側が左右のイヤホン両方とつながって通信するため、完全ワイヤレスイヤホンの親機・子機で発生する「頭部をまたぐ通信」がなくなり、左右の接続が飛躍的に安定するそう。消費電力もさらに抑えられるため、TWS Plus対応のスマートフォンでTE-D01bを使用すると、連続再生時間も9時間以上に延びると考えられます。

Snapdragon 845を搭載しているスマートフォンといえば、ソニーの「Xperia XZ2」やサムスン電子の「Galaxy S9」などが思い浮かびます。ですがいずれもファームウェアアップデートが必要で、2018年9月現在、日本でTWS Plusを使えるスマートフォンはないそうです。今後のファームウェアアップデートに期待しましょう。

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    通常は端末と完全ワイヤレスイヤホンの親機がつながり、つぎに親機と子機がペアリングでつながる仕組み

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    TWS Plusでは、デバイスが左右のイヤホンにそれぞれ信号を送る

イヤホン本体はIPX7の防水仕様。パッケージには通常のイヤーチップ(Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ)のほか、Spinfit社のイヤーチップ(Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ)が付属する予定です。紛失保険も用意してあります。

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    Spinfit社のイヤーチップも付属します