パナソニックの高級オーディオブランドであるテクニクスからは、Wi-Fiネットワーク対応のワイヤレススピーカー「OTTAVA S/SC-C50」が発表されました。欧州では749ユーロ前後で、9月中旬ごろに発売が予定されています。日本での発売も検討中。高価格帯の商品を多くかかえるテクニクスブランドのなかでは、比較的スタンダードな「プレミアムクラス」の製品です。

  • テクニクスブランドの「OTTAVA S/SC-C50」

「アークフォルム」と名付けられた円弧型の本体には、3.1ch構成のスピーカーシステムを内蔵。アルミニウム性のトップパネルの中央に、有機ELディスプレイと操作ボタンが配置されています。

シングルボディで力強く、広がり感の豊かなサウンドを再現するために、3つのウーファー、3つのトゥイーター、さらに1つのサブウーファーを設けました。それぞれのスピーカーはコンパクトな本体の中に、相互に干渉しないよう最適配置されています。

  • スケルトンモデルで内部のスピーカー構造が確認できます

本体の素材はグラスファイバーを混ぜ込んだ強化ABS樹脂。12cm口径サブウーファーの音を効果的に増幅するため、ストレートで大口径のロングポートを内部に配置しています。円弧型のデザインが剛性の強化と、音に悪影響を与える定在波の発生を抑える効果をもたらすとのこと。

内蔵マイクとiOS対応モバイルアプリとの組み合わせによって、本機で鳴らす広がりのある音を、設置環境に合わせて自在に最適化できる「Space Tune」の機能も見どころのひとつ。iOS端末のマイクを使って、ユーザーのリスニングポジションで測定したベストな音場感にチューニングする「Measured」モードは上位のSC-C70にも搭載されていましたが、新製品は本体の内蔵マイクを使って誰でも簡単に音場調節が可能です。

さらに、左右チャンネル/センターチャンネル/サブウーファーのサウンドを、Space Tuneによって計測した設定値に合わせてベストな状態で鳴らせるよう、チャンネルごとに独自開発のフルデジタルアンプ「JENO Engine」を搭載。アンプ部に供給する電源回路を独立させた「Twin Power Supply Circuit System」による低ノイズ化も果たしています。

本機はWi-Fi接続によるネットワーク音源にBluetooth(SBC/AAC)、USBメモリー、アナログ・光音声入力と、多彩なソースの再生を1台でまかないます。Wi-Fi接続時はAirPlayやSpotify Connect、インターネットラジオ再生やホームネットワーク内のNASに保存した音源を、専用アプリから再生できるようになります。

  • Googleアシスタント搭載のスピーカーを中心に、Works with Google Assistant対応になるUHD BDプレーヤーの連係動作が実演されていました

Google Chromecast built-in、Works with Google Assistantにも対応しているので、Google HomeなどGoogleアシスタントを搭載するスマートスピーカーとホームネットワーク上でリンクさせ、音声操作でSC-C50を操作しながら、Google Homeよりもいい音で音楽ストリーミングを再生することも可能です。テクニクスのブランドイメージにこだわらず、「スタイリッシュでいい音、手軽に楽しめるオーディオが欲しい」と望んでいたユーザーには最適な選択肢になるでしょう。

テクニクスでは、初のSACDプレーヤー再生に対応するネットワークオーディオプレーヤーの開発も進めています。SACD(Super Audio CD)とは1999年に登場した、次世代のCDを超える高音質ディスクメディアの規格です。現在もSACDの新作ソフトはリリースされていて、特に音にこだわるオーディオファンから支持を集めています。SACDを再生するためには専用のドライブを搭載するプレーヤーが必要です。

  • パナソニック アプライアンス社 テクニクス事業推進室CTOの井谷哲也氏が開発を指揮するパナソニック初のSACDプレーヤー。「ヨーロッパではまだSACDの人気が高く、ネットワークオーディオプレーヤーとハイブリッド仕様のSACDプレーヤーという前例のない製品に挑戦しています」と意気込みを語ってくれました。商品化は来年春以降になりそうです

  • 日本でも発売されているパナソニックのワイヤレスヘッドホンも展示