今回は、富士フイルムの最新ミラーレス「FUJIFILM X-H1」をMOZA AirCrossに装着し、動画を撮影してみました。

使用した印象としては、肝心のブレの補正精度はなかなかのものだと感じました。歩きながら撮影したところ、ゆっくり歩く分にはこの手のジンバルが苦手とする縦方向のブレもよく抑えてられおり、安定した映像になりました。カメラスタビライザー特有の浮遊感もバッチリ演出できたと思います。

モデルと1対1で撮影してみた。歩きながら、あるいは話しながらの撮影となったが、カメラの安定感は素晴らしく、よく言われる“ぬるぬる”な映像に仕上がった。比較的シンプルな作りのカメラスタビライザーだが、その恩恵は余りあるほどだと感じた(FUJIFILM X-H1、カールツァイスTouit 2.8/12、カールツァイスTouit 1.8/32使用)

ジョイスティックによるジンバルの動きもスムーズで、不自然な挙動はまったくありませんでした。一応、片手で持てるように設計されていますが、腕の疲労やカメラの安定性を考えると、通常は両手で持ったほうがよいと感じました。

  • 基本的にはこのように構えて撮影することになる。やはり液晶モニターの可動するカメラのほうが使い勝手はよい

前述の通り、MOZA AirCrossに搭載できるカメラの最大重量は1.8kgまでとなります。デジタル一眼レフの場合、ミドルレンジクラスのフルサイズ機と標準ズームレンズの組み合わせならば問題なく使えます。一例を挙げると、キヤノンの「EOS 6D Mark II」(約765g)と標準ズームレンズ「EF24-105mm F4L IS II USM」(約795g)ならば許容範囲内に収まります。

ボディとレンズが一眼レフよりも軽いミラーレスなら、メーカーを問わずF2.8クラスの大口径標準ズームレンズを組み合わせてもまったく問題ないでしょう。

一眼で動画撮影を重視する人は注目すべき

本機のライバルは、DJIが7月に販売を開始したカメラスタビライザー「RONIN-S」(実売価格は税込92,800円)といえます。RONIN-Sは、機能が豊富なうえに頑丈感のある作りが目を引くなど、MOZA AirCrossよりも完成度が高くハイエンド志向のカメラスタビライザーだと感じます。ですが、RONIN-Sは重さが約1,850gもあるなど、ボディもまさにハイエンドな作り。価格も、RONIN-SはMOZA AirCrossより2万数千円高く、コストパフォーマンスはMOZA AirCrossのほうが優れています。

  • DJIの「RONIN-S」。3月に開催されたカメラ展示会「CP+2018」で展示され、従来モデルよりもサイズと価格を抑えたことで来場者の注目を集めた

動画撮影を満喫したいと考える写真愛好家にとって、カメラスタビライザーは三脚のような「持っていて当たり前」のカメラアクセサリーになりつつあるといえます。MOZA AirCrossやRONIN-Sなど、さまざまな製品を店頭で試すなどして、ぜひその効果を体感してみてください。

(動画のモデル出演:テレジア)