業務やプライベートでWindows 10を利用する際、意識しなければならないのがWaaS(Windows as a Services)である。過去の連載で何度も触れてきたので概要は割愛するが、OSを"常に最新状態"で提供するものだ。
Windows 10は年に2回の半期チャネル(対象指定)。Office 365も年2回の半期チャネルと半期チャネル(対象指定)と月次チャネルを用意しているが、UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリやOneDriveクライアントなどは、これと異なるリズムで更新が加わる。
例えばOneDriveクライアントのリリースノートを見ると、月に2~3回の更新が加わる。中身はバグフィックスやパフォーマンス改善が多いものの、新機能が加わる場合もある。
なお、OneDriveクライアントは、24時間ごとに新バージョンをチェックし、仮にクライアントが停止するなどして24時間以上経過した際も、初回起動時に新バージョンをチェックする仕組みだ。
さて、先のリリースノートを確認すると、2018年5月22日リリースのビルド18.091.0506.0003では、バッテリー節約機能が有効になると同期を一時停止する機能が加わった。2018年7月23日リリースのビルド18.131.0701.0004では、フィードバック送信オプションの改善と、アクティビティセンターの外観と操作性を更新している。同ビルドでは再びバッテリー節約機能に関する改善に言及しているが、おそらく動作に改善を加えたのだろう。
詳細についてMicrosoftは公式ブログで解説している。それによれば、同期を一時停止するとトースト通知を示し、強制的に同期を行うことも可能になるという。残念ながらスクリーンショットと撮り損ねたが、確かに最近は外出先で同様の通知を何度か確認した。
本稿を執筆するにあたりバッテリーが100%の状態で、バッテリー節約機能が稼働する環境に変更して動作を検証してみたが、OneDriveの同期は一時停止しなかった。原因がOneDriveクライアントにあるのか、Windows 10 Insider Previewの問題か判断つかないが、新たなトリガーはまだ完全でないようである。
過去にはLTE接続時の同期一時停止など、多くの機能を順番に実装してきたOneDriveクライアントだが、該当するUserVoiceを見ると、上位には「差分同期の有効化」「LAN経由での同期」「64ビット化」が並ぶ。
確かにいずれも有用な改善であり、特に64ビット化は切実だ。タスクマネージャーに現れる「(32ビット)」の文字列には憂いを感じてしまうが、Microsoftの担当者も前向きなコメントを寄せているので期待しておこう。なお、ストレージセンサーの削除対象にOneDriveのオンデマンドファイルがRS5から加わるのは、UserVoiceの投稿が影響をおよぼしているはずだ。
これまでの流れを見て劇的な変化ではないものの、OneDriveクライアントは今後も便利な道具として改善を重ねていくだろう。最後に気になったのだが、筆者のWindows 10バージョン1803で動作するOneDriveクライアントは、通常のWindows 10に展開するProductionリングのビルド18.131.0701.0004、Windows 10 Insider Preview向けのInsiderリングとなるビルド18.135.0705.0003よりも新たしいビルド18.145.0719.0003である。
OneDrive for Businessクライアントは異なるビルド番号を持っているという意見も目にしたが、Microsoftによる公式な説明を見つけることはできなかった。
阿久津良和(Cactus)