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OneDriveフォルダーのパスは環境変数「OneDrive」にある

OneDriveが有効な環境では、環境変数「OneDrive」にOneDriveフォルダーのパスが格納される。ただし、OneDriveとOneDrive for Businessを併用している環境では、格納パスがOneDrive for Businessに書き換わってしまうという不便な状況も。

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    OneDriveフォルダーのパスは環境変数「OneDrive」に格納されている

さて、各種ツールの中には、設定内容をiniファイルに保存するものがある。iniファイルを、自動的に同期するOneDriveフォルダーに格納して共有すれば、そのツールをインストールした複数のPCで、常に同じ設定でツールを利用できるので使い勝手がよい。筆者の場合は、画像ファイル形式をまとめて変換する「XnConvert」や「7-Zip」などが当てはまる。

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    今回は使用するツールの例としてコンソール版の「7-Zip」を使用する

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    「Win」+「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「%OneDrive%」と入力して「OK」ボタンをクリック/タップ

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    展開したフォルダーを任意の名前に変更し、OneDriveフォルダー下に配置する

ポイントとなるのが、環境変数「OneDrive」の活用だ。今回はOneDriveフォルダー下に「bin¥7zip」とサブフォルダーを作成して、関連ファイルを格納している。通常であれば、「C:¥Users¥kaz¥OneDrive¥bin¥7zip¥7za.exe」とフルパスで指定しなければ7-Zipを実行できないが、「%OneDrive%¥bin¥7zip¥7za.exe」とより短いパスで実行可能だ。

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    「%OneDrive%¥bin¥7zip¥7za.exe」と環境変数を用いることで、OneDriveフォルダー内に格納したコマンドが実行可能になる

この機能が役立つのは、OneDriveフォルダーをPCによって変更している環境。通常なら、OneDriveフォルダーは環境変数「%USERPROFILE%」で定義するフォルダー下に作成され、「%USERPROFILE%」はCドライブにある。例えば、システムドライブがSSDの場合など、OneDriveフォルダーはCドライブ以外にしたいという向きもあるだろう。

筆者は、EドライブにOneDriveとOneDrive for Businessのフォルダーを作成しているが、環境変数「OneDrive」に格納されるパスが異なるため、ツールが正しく動作しないことが多い。そこでパスを記述する場面で「%OneDrive%」を使い、異なるOneDriveフォルダーの差異を埋めている。

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    筆者が普段使っているcjpeg.exe(Mozilla JPEG Encoder Project)の実行バッチファイル。このように環境変数を用いると、OneDriveフォルダーが異なる場合でも、同じPC環境のように利用できる

このようにすることで、インストーラーやレジストリを使わないアプリケーションをOneDriveフォルダーに格納し、複数のPCから同じ設定で使えるわけだ。ツールの作りによっては環境変数を展開しないため、ここで紹介した方法がうまくいかない場合もあるが、上図のようにバッチファイルなどには利用できるため、複数のPC環境を使い分けているときは試してみていただきたい。

阿久津良和(Cactus)