調査会社のBCNは8月2日、ワイヤレスイヤホンの市場動向を発表した。イヤホン全体の販売数量のうちワイヤレスタイプが占める割合は年々上昇し、最新のデータでは4割がワイヤレスタイプになったことが明らかになった。音質やデザインなどの付加機能を重視する傾向も強まり、平均単価は2年前のほぼ倍になったことも判明した。
イヤホン全体の4割超がワイヤレスタイプに
販売数量のうちワイヤレスイヤホンが占める比率は、2年前(2016年6月)が16.6%だったのに対し、2年後の2018年6月は40.3%にまで拡大。2016年9月にアップルが発売した「iPhone 7/7 Plus」でイヤホン端子を廃止したことが、ワイヤレスイヤホン躍進の要因の1つとみている。
-
ワイヤレスイヤホンの構成比。右肩上がりでワイヤレスタイプの占める割合が高まっている
平均単価も上昇している。2年前は4,000円台だったのが、現在は8,000円台にまで上がっている。ワイヤレス化により電子回路が複雑になることに加え、音質やデザイン、防水性能を重視して競合製品と差異化する動きが強まっていることも、高価格化の要因となっている。
完全ワイヤレスは2割ちょっとの構成比で足踏み
ワイヤレスイヤホンの種類別の販売比率は、耳穴に押し込むタイプの「カナル型」が52.2%と過半数を占めており、定番的なポジションを獲得。各社から相次いで新製品が登場している完全ワイヤレスタイプは、昨年秋ぐらいから20%前半の構成比で足踏みしており、主役の座を奪うまでには至っていない。
-
ワイヤレスイヤホンの種類別構成比。インナーイヤー型が5割を超えている。緑色のクリップ型は、おもにハンズフリー通話で利用するタイプの製品だ。注目の完全ワイヤレスイヤホンは、意外にも20%台前半で足踏みが続いている
主流のカナル型のメーカー別シェアは、大混戦模様となっている。2年ほど前はエレコムが圧倒的なシェアを誇っていたが、オーディオテクニカやビーツ、JVCケンウッドなどのメーカーがシェアを上げており、現在は6社がひしめく状況だ。
-
カナル型ワイヤレスイヤホンのメーカー別シェアの推移。今年の春ごろから大混戦となっている