操作面では、メニューのUIのデザインを改良したことがポイントです。メニュー内の数多くの項目が「撮影設定1/撮影設定2/ネットワーク/再生/セットアップ/マイメニュー」という5種類の色付きタブに分類されたうえで、さらに用途や機能別に整理されて配置されています。これは、上位モデル「DSC-RX10M4」やミラーレスカメラ「α7 III」など、最近のソニー製カメラに共通したメニューUIです。

  • 背面ボタンのレイアウトを継承しつつ、メニューのデザインが一新。RX100M6(右)では、細かい機能がどこにあるのか、従来よりも把握しやすくなっています

  • 好きなメニュー項目を登録できる「マイメニュー」を搭載。これをきっちり設定しておくと、自分にとって必要な機能に素早くアクセスできて快適になります

新機能としては、フォーカスエリア登録機能やフォーカスエリアの「ゾーン」、ハイライト重点測光、画面全体平均測光、5段階のレーティング機能などが追加されています。また、画像処理エンジン「BIONZ X」の進化によって、連続撮影可能枚数の増加や高感度ノイズの低減、瞳AFの追従性向上なども図られています。

逆に、Web経由で機能を拡張する「PlayMemories Camera Apps」や、入門者向けの操作画面「マイフォトスタイル」、光量を抑える内蔵NDフィルターなどは、RX100M6では省かれています。

  • 連写は最高で24コマ/秒に対応。スピード自体はRX100M5と同じですが、連続撮影可能コマ数は150枚から233枚にアップしました

  • オートホワイトバランスは「標準」のほか「雰囲気優先」「ホワイト優先」が選択できます

  • 動画モードも高機能化し、HLG(Hybrid Log-Gamma)をCyber-shotで初搭載しました。S-Gamut3.Cine/S-Log3、S-Gamut3/S-Log3での撮影や、プロキシーの同時記録などにも対応します

  • Wi-FiやNFCに加え、Bluetoothを搭載。スマホやタブレットとスムーズに連携ができます

  • 各種ボタンのカスタマイズ機能はいっそう充実。撮影モード時と再生モード時を個別にカスタマイズできます

  • 天面にポップアップ式のフラッシュを内蔵。レンズの開放値が暗くなったため、フラッシュの最大到達距離はやや短くなっています

  • バッテリーはこれまでと同じく「NP-BX1」を採用。液晶モニター使用時の撮影可能コマ数は、RX100M5の約220枚から約240枚に増えています

  • USB経由の充電/給電機能は継承。約150分でフル充電ができます

以上のように、単にレンズのズーム倍率がアップしただけでなく、機能と操作面にもしっかりと改良が加わり、使い心地は一段とよくなっています。10万円を大きく超える価格は決して手ごろとはいえませんが、24~200mm相当の8倍ズームと1インチセンサーを搭載したカメラが胸ポケットに収まることはやはり魅力的です。

高倍率で高機動力ならば、高価なことは納得するしかないのでしょうか。筆者自身、そんな自問自答をしながら、じわじわと迫ってくる所有欲と戦っています。

  • シリーズの6代目にして、初めて光学8倍ズームを採用。スナップのほか、ポートレートやスポーツシーンなどの撮影に活躍してくれます

次回は実写編として、さまざまなシーンで撮影した写真をチェックしながら、RX100M6のさらなる魅力を深掘りしていきます。