ソニーの「Cyber-shot DSC-RX100M6」は、シリーズ初となる光学8倍ズームレンズを採用した高級コンパクトカメラです。1.0型という大きなサイズの積層型CMOSイメージセンサー「Exmor RS」を既存モデルから継承しつつ、レンズの高倍率化と高機能化、操作性の改善などを図っています。
小さなサイズと軽い重量をキープしたままレンズを高倍率化すれば、そのシワ寄せとして描写性能が劣化するのではないか……。そんなふうに考えるのは、疑り深い私だけではないはずです。
では、実際のところRX100M6の画質はどうなのか。既存モデルRX100M5との比較を交えながら、その写りをチェックしていきましょう。前回の外観編に続き、今回は実写編です。
どこまで解像するか、遠景の描写をチェック
まずは、晴れた日の屋外で風景を撮り、遠景に対するレンズの解像性能を見てみましょう。RX100M5はズームのワイド端とテレ端で、RX100M6はズームのワイド端とテレ端に加えて、RX100M5にそろえて70mm相当の焦点距離で撮影しました。絞り値は、開放値が暗いRX100M6の値にそろえ、ピントは遠景の観覧車に合わせています。
▼RX100M5で撮影
▼RX100M6で撮影
結果は、いずれの写真もシャープに解像し、その違いを指摘するのは困難なほどです。ただ厳密に見れば、70mm相当の比較ではRX100M6のほうが解像感が高く、周辺まできっちりと描写できています。RX100M5のテレ端は、像面湾曲の影響で周辺部がやや前ピン気味のようです。
同様のテストを場所を変えて試してみたところ、やはり僅差ですが、RX100M6のほうが細部表現力で勝るといえそうです。なお、絞りをもっと絞り込むと、さらに差が小さくなります。
▼RX100M5で撮影
▼RX100M6で撮影